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《LINES—貝の成長線を聴く ver.1.0》 [2015] “LINES: Listening to shell’s growth lines ver. 1.0”

AKI INOMATA

《LINES—貝の成長線を聴く ver.1.0》

作品解説

東日本大震災後の2011年5月21日に福島県相馬市松川浦で大越健嗣教授が採取したアサリ.2015年4月20日に同じ場所で作家自身が採取したアサリ.この2匹のアサリの成長線の情報が,それぞれレコードに変換されており,音として聴くことができる.

貝の断面には,木の年輪のように,貝の成長のログである「成長線」が刻まれている.貝殻は潮が満ちている時に成長し,潮が引いている時は成長が止まる.これによりできた成長線は,年輪よりも細かい時間間隔で刻まれた線であり,その個体(貝)の体調の変化,そして生息地の環境の変化を読み取ることができる.

今回は,2匹のアサリの,採取日から遡って1年間の成長線の数とその間隔を抽出し,それぞれレコード溝のジグザグ=振幅へと変換している.溝に刻まれた振幅をレコード針がピックアップすることによって鳴る,2匹がそれぞれ生きた1年を想起して欲しい.

(AKI INOMATA)


アサリ 2015.4.20採集 福島県相馬市松川浦
アサリ 2011.5.21採集 福島県相馬市松川浦

ミクスト・メディア,映像

制作協力:大越健嗣(東邦大学理学部生命圏環境科学科教授),鈴木聖宏(東邦大学大学院理学研究科博士後期課程),城一裕(I [IAMAS]講師)
試料提供(アサリ 2011.5.21採集 福島県相馬市松川浦):大越健嗣

参考資料1

大越健嗣・鈴木聖宏・丸山雄也・篠原航(2014)
「貝殻に刻まれた 地震・津波の痕跡」
月刊地球編集部編『月刊地球 バイオミネラリゼーションと石灰化–Ⅱ』
2014年1月号〈通巻412号〉vol.36, No.1, pp.42–52, 海洋出版

丸山雄也(2013)
「東北地方太平洋沖地震による大規模攪乱がアサリに与えた影響」
東邦大学大学院理学研究科環境科学専攻 修士論文

参考資料2

城一裕,金子智太郎
「紙のレコード」の作り方 –予め吹き込むべき音響のないレコード編–
YCCschool, 2013年12月22日, slideshare
http://www.slideshare.net/jojporg/131222-papaerecordjp

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