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《彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人,あるいは現代のプロメテウス》 [2019] “Her Rights: The Turk of Frankenstein; or, The Modern Prometheus”

青柳菜摘

作品解説

1770年にヴォルフガング・フォン・ケンペレンによって作られた自動チェス人形「トルコ人(The Turk)」と,1818年にメアリー・シェリーが19歳の時に産み出したフランケンシュタインの怪物の物語に関するリサーチをもとにした作品です.

自動チェス人形「トルコ人」は,人間を相手にチェスを指す知能を持ち,ほとんどの試合で勝利を収め人々の関心を集めましたが,当時はその仕組みについて解明されていませんでした.エドガー・アラン・ポーは,エッセイ「メルツェルの将棋指し」を書き,「トルコ人」の謎を解くことを試みています.その後,「トルコ人」は,その自動チェス人形の台の中に,チェス名人が入って操作していたことが判明しました.

ケンペレンの「トルコ人」やフランケンシュタインの怪物の物語は,彼らが生み出した創造物が,創造主の思惑を超えていってしまうことの隠喩であるとも言えるでしょう.19世紀に産業革命への反動として発生したラッダイト運動(機械破壊運動)から,人工知能が人間から仕事を奪うのではとされる現代,さらには,人類が科学技術によって,人間の生存のための条件を更新しようとする「トランスヒューマニズム」にいたるまで,機械はその存在自体によって,機械と私たちとの関係性について再考を促してきました.そのことと,シェリーが匿名で『フランケンシュタイン』を発表したように,かつて女性であることが作品発表の妨げになっていた時代があったことを通して,現代におけるメディア・テクノロジー,ジェンダーなどについて考察します.


撮影:飯岡幸子
出演:青柳亜沙実
製作:和田信太郎
協力:東京藝術大学大学院映像研究科

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