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《ファースト・パーソン・スペース》 [2007] “First Person Space”

角田哲也

《ファースト・パーソン・スペース》

作品解説

頭部に装着するディスプレイをのぞき込むとそこには仮想空間が広がっていて,頭を動かすことによって周囲360°を見渡すことができます.また,仮想空間内にはいくつかの分岐点があり,視線の向きで進む方向が決定し,別のモチーフをもった新しいステージが出現します.《ファースト・パーソン・スペース》は,鑑賞者の観察行為によって収束・分岐する空間モデルのひとつです.

人間は映像の中のささいな光の変化から,物理的には存在しない空間を知覚することがあります.このような現象に対して,工学や建築などの分野でいくつもの試みが行なわれてきました.この作品は,そういった試みの中でも仮想空間デザインの制限について思索したものです.重力という制限のない仮想空間において,速度の調整や,それに伴う快感がデザイン上の要点になるという着想と,クラブカルチャーにおけるVJ手法を結びつけるアプローチをとっています.また,この作品で描かれるストーリーは,非人間的な秩序が支配する無生物世界のファンタジーです.再帰関数によって生成する自己相似構造をもつ無機生命体(ナノマシン)が成長・暴走し,世界を美しく作り変えてゆく様子が描かれています.さらに今回の展示のため,映像ストーリーの根幹をなす自己相似構造という題材を共有する音楽が新たに作曲されました.

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