《ドローイング・オペレーションズ・ユニット》は,人間とロボットアームが協働して同時に一枚のドローイングを描くこことを通じて,自動化や自律性,芸術表現における人とロボットとのコラボレーションの可能性,さらに行為の主体性などを探求しようとする進行中のプロジェクトです.
最初に発表されたジェネレーション1では,ロボットアームの動きは,同時に描いている人の描画動作を模倣するようにプログラムされていました.今回展示するジェネレーション2では「ロボットの記憶」に焦点を当て,作者本人の描画のしかたをコンピュータに機械学習させた結果を,ロボットアームの動きに反映させています.
人工知能に関する技術が飛躍的に発展している現在,AIが人間の仕事をおびやかすのではないかと言われることも多くなっています.このような危惧は,人間と機械を対立するものとして捉えることから生まれます.しかしこのプロジェクトでは,人と機械が対立するのではなく共創することによって,機械が機械ならではの描画方法を獲得することだけでなく,人間が自分自身をどう捉えるかということも更新することを目指しています.
助成:文化庁 平成28年度メディア芸術クリエイター育成支援事業 海外クリエイター招へいプログラム
テクニカル・ディレクション:フランシス・ツェン,メアリー・フランク