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《distortion》 [2017] “distortion”

ライゾマティクスリサーチ

《distortion》

作品解説

「アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの『ポエティクス/ストラクチャー』」展のために制作された新作.

無線制御と光学式トラッキング技術によって自走する,側面が鏡面で囲われた直方体の本体を持った5台のカートが空間内を移動する.直進したり回転したり,5台が同期して動く様子はどこかダンスを思わせる.

空間に投影されているプロジェクターからの映像は,床面に投影される部分と,カートの鏡面に反射し,床面に投影される部分がある.床に投影された映像は,カートが移動したり鏡面を回転させたり,プロジェクターの映像に対する鏡面の角度や距離をつねに変化させているにもかかわらず,正しい像として投影され続けている.

この作品は,アナモルフォーズ(歪像画)と呼ばれる,15世紀から用いられている,あるひとつの視点,角度からのみ正しい像を得られることができるように元の像を歪めて描く技法をモチーフとして制作されている.それは,ある角度から見ると平面であるはずの画像が,擬似的に立体的に見える,というトリックなどでよく知られている.

ライゾマティクスリサーチは,パフォーマンスなどにおいて,会場を撮影するカメラの視点を,コンピュータ・グラフィックスにおけるヴァーチュアルなカメラの視点と同位置に設定し,それに応じてCGの映像をリアルタイムに変形させることによって,カメラで撮影された映像では奥行きを持っているかのように見せるという,合成やヘッドマウント・ディスプレイによらずに,見かけ上,被写体が映像の中に入り込んでいるように見える映像演出を行なっている.

この作品では,モーション・キャプチャー・カメラによってカートの動きがトラッキングされ,そこから鏡の角度を解析し,その鏡の角度に対して,反射像が正しい像として投影されるように,リアルタイムで歪んだ像を生成し,カートの鏡面に投影している.そして,複数の鏡面によって断片に分断されて,さらに,RGBの光の要素によって分割され,レイヤー化された映像が,カートの動きによって構造的に統合されている.

真鍋大度:コンセプト/プログラミング
石橋素:コンセプト/テクニカル・ディレクション
黒瀧節也:サウンド
田井秀昭:ハードウェア
花井裕也:ソフトウェア
原田克彦:テクニカル・サポート
石川紗季:テクニカル・サポート
西本桃子:テクニカル・サポート

アーティスト

展示情報

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