本サイトをご利用の際,最新版のFirefoxGoogle ChromeInternet ExplorerSafariなどを推奨しております.
現在ご利用のブラウザでは,レイアウトなどが崩れる可能性があります.

JA / EN
戻る

《群生地放送》 [2018] “Colony Highway Broadcast”

藤倉麻子

《群生地放送》

作品解説

高速道路,照明,橋脚,街灯,変電所,トイレなどの都市のインフラストラクチャーや,あるいは巨大化した工業製品などのさまざまな人工物が3Dコンピュータ・グラフィックスによって制作され,カラフルな都市を形成しています.砂漠の中に現われるオアシスのようにも見えますが,この風景の中で人間を見つけることはできません.

この人間不在の都市のなかで,人工物たちは非機能的な自律運動を繰り返しています.その様子は,かつてそれぞれが都市のなかで担っていた機能から解き放たれ,抑制されていた自身の欲望に従ってその存在を顕示しているかのようです.

藤倉麻子は,現代の都市を,人間によって設計されながらも人間の理性を超越したものであると感じ,そこに見出された原始的な呪術性をテーマに制作を行なっています.藤倉が採用している3DCGによるアニメーションもまた,コンピュータ・プログラムが介在することによって作者の制御や意図を超える動きが生成されうる表現手法であり,そこに藤倉は制作における可能性を感じています.

《群生地放送》では,人工物が「野生」となった結果,都市自体が人間の想定を超えて,自律的にその活動を駆動していく姿を,3DCGによる人工的なテクスチャと触覚性を持ったイメージを強調することによって描き,都市に潜在するリアリティを表現しています.

アーティスト

展示情報

作品一覧