ICCレポート

ICCのニュー・コレクション公開

1997年10月に開催された「ICCビエンナーレ’97」においてグランプリおよび準グランプリに選出された3作品が,1998年4月からの新たな展示作品となった.

グランプリ作品,リュック・クールシェヌ(カナダ)の《ランドスケープ・ワン》は,タッチパネルを操作することによって観覧者とマルチスクリーンに登場する人物が会話を交わしていく作品である.また準グランプリは,前林明次(日本)の《AUDIBLE DISTANCE(視聴覚化された「間」)》とシュー・リー・チェン(アメリカ)の《バイワン・ゲットワン》の2作品である.前者はヘッド・マウンテッド・ディスプレイとヘッドフォンを装着し,新たにつくりだされた視覚と聴覚によって,閉ざされた空間の中で他者を認識する作品であり,後者はネットワークを利用した作品である.

これら3作品には,インタラクティヴに作用し合いながらコミュニケーションの新しい形態を試みたり,あるは身体的な機能が拡張することによって新しい感覚を獲得しようとしたり,社会と自らのつながりをインターネットを通じて探ったりするなど,メディア・アートの先端的な特徴を見出すことができるだろう.これにあわせて,『ICCコンセプトブック』もリニューアルをし,別冊『ICCコレクション1998』とセット販売されている(セット価格=3675円).

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