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2017年10月31日

坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 
IS YOUR TIME

会期:2017年12月9日(土)—2018年3月11日(日)

会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA


開催概要

会期:2017年12月9日(土)—2018年3月11日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
* 12月10日は午前11時—午後3時(入場は午後2時30分まで)
* 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日 なお,2/12[月]は休館,2/13[火]は開館),年末年始(12/28-1/4),保守点検日(2/11)
入場料:一般・大学生 500円(400円)/高校生以下無料
*( )内は15名様以上の団体料金
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
協力:commmons,株式会社キャブ,有限会社ダムタイプオフィス,株式会社イースタンサウンドファクトリー,株式会社シンタックスジャパン,ヤマハ株式会社,株式会社ヤマハミュージックジャパン,株式会社リットーミュージック

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:0120-144199(フリーダイヤル)
E-mail:query@ntticc.or.jp
URL:http://www.ntticc.or.jp/

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は,日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日,東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンしたNTT東日本の運営する文化施設です.ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきます.

展覧会概要

坂本龍一は,近年,美術展や芸術祭への参加など,展示作品としてのインスタレーションの制作を行ない,これまでの自身の音楽の発表の場と異なる状況で発表を行なうことが増えています.また,音楽活動のみならず社会活動にも重点を置いた活動を精力的に行なっており,その活動は,音楽や社会,あるいは自然や根源的な生の思索へと向かっています.

坂本が2017年に発表した8年ぶりのアルバム『async』は,坂本にとっての新境地であるだけではなく,その音楽自体これまでにない新たな聴取体験をもたらすものでした.また,『async』はCDやレコードといったフォーマットで発表された後に,5.1チャンネルオーディオと3組のアーティストによる映像とのコラボレーションによって展示空間に設置され,「設置音楽」というフォーマットによって提示されました.

本展覧会は,そのタイトルが示すように,「坂本龍一|設置音楽展」(ワタリウム美術館)に続く二番目の「設置音楽」シリーズです.展示される《IS YOUR TIME》は,坂本とアーティスト・グループ,ダムタイプおよびソロ・アーティストとしても世界的に活躍する高谷史郎によって,今回の展覧会のために制作された新作インスタレーションです.

東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノに出会い,近代を象徴する楽器を自然が物に返したと感じた坂本が,そこから音楽の再生を試みながら,物理的な音を感知することだけではない音楽を感覚する場を作り上げます.


展覧会に寄せて

もとはモノだったものが,人によって変形され,時間とともに,あるいは巨大な自然の力によってまたモノに還っていく.

都市もそうだ.都市の素材も鉄,ガラス,コンクリートなど,もとはみな自然のモノ.それらを人は惑星各地から集積し,あたかも彫刻のように形を与えていく.しかしそれも時間の経過とともに,モノに還っていく.

自分が住んでいるマンハッタンを見ていて,以前からそう思えて仕方なかった.これは単なる個人の妄想ではないんだと最近は思うようになった.

坂本龍一


展示作品

《IS YOUR TIME》(本展覧会のための新作)

2017年,坂本龍一は,2009年の『Out of Noise』以来8年ぶりとなるオリジナル・アルバム『async』を発表した.近年の坂本は,音楽活動にとどまらず,多岐にわたる社会活動や,数多くの映画音楽も手がけるなど多忙をきわめている.そうした中で,坂本はこのきわめて個人的で内省的ともいえる作品を,何よりも自身のために,自身のためだけに,制作することに意識を集中させていたように思える.

『async』(非同期の意)は,サウンド,ノイズ,といった非楽音的要素をミュージックとして再編させた作品であり,これまでの坂本のどのアルバムとも異なる印象を与えるものとなっている.事実,それは坂本の新しい方向性を示すものともなった.たとえば,アーティスト・グループ,ダムタイプおよびソロ・アーティストとしても世界的に活躍する高谷史郎らとの共同作業によるインスタレーション作品の制作を経た,CDあるいは5.1chといった従来のリスニング・フォーマットからより自由な音響空間の創造への強い関心である.音や映像などの要素を空間的に配置し,自在に音を設計,配置することを可能にしたインスタレーションという手法は,坂本にとって新しいコンポジションの方法となったと言えるだろう.

『async』は,まず坂本自身の好きな音を配置していくことからアイデアがスタートし,そのための音の採集が行なわれたという.いろいろなものを叩き,擦り,さまざまな響きを採集し,ピアノのペダルの残響,金属的な響き,朗読など,気に入ったものをひとつひとつ置いていく.それは,坂本自身の音楽的探究によって駆動されたものであり,それゆえ,その作品はシリアスでありながら,しかし,あらゆる音から音楽を聴き出し,さまざまな音の響きに聴き入るよろこびに満ちている.

『async』発表後すぐに,坂本は「設置音楽」として,それらの楽曲を5.1chの再生環境と映像を含めたインスタレーションとして,東京のワタリウム美術館で発表した.作品自体が,もとは5.1chで聴くことを想定して制作されているように,音の空間性を強調した音構成は,この作品がサウンド・インスタレーションを想定した,空間的にも拡張可能な作品であることを実感させる.それは,いわゆるアンビエントとは異なる,新たな空間=設置音楽として体験されるべき作品だった.

《IS YOUR TIME》は,「設置音楽」シリーズの二番目の作品として,坂本と高谷によって,今回の展覧会のために制作された新作インスタレーションである.

坂本は,東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市にある宮城県農業高等学校のピアノに出会い,人間によって作られた,本来は木や鉄であったピアノという近代を象徴する楽器が,津波という自然の力によってその機能を失い,ものへと還っていったと感じた.当初,それは坂本に「音楽の死」を思わせるほどの強い印象を与えたが,海水に漬かり,修復不能となってもなお音を奏でるピアノに,坂本はその印象を変えていくことになる.その後坂本は,そのピアノの音を自身の作品『async』にも使用した.いくつかの鍵盤からは音が鳴らなくなってしまい,調律することもむずかしい,楽器としてはもう使用不可能になってしまったこのピアノは,しかし,自然によって調律されたピアノとして,坂本にとって忘れることのできないものになっていった.

《IS YOUR TIME》は,『async』の音楽とともに,その被災したピアノを世界各地の地震データによって演奏することで,ものに還ったピアノを新たに地球の鳴動を感知させるためのメディアとして「転生」させることを試みるインスタレーションである.ICCの展示空間が,物理的な音を感知することだけにとどまらない音楽や地球を感覚する場となるだろう.

畠中実(ICC主任学芸員)

作家プロフィール

坂本龍一

1952年東京生まれ.1978年『千のナイフ』でソロデビュー.同年「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」に参加.YMO散開後も音楽を中心に海外に拠点を移し多方面で活動.映画『戦場のメリークリスマス』の音楽で英国アカデミー賞を,映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミー作曲賞,グラミー賞最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞ほかを受賞.数々の映画音楽を手がけるなど,作曲家としても世界的な評価を得ている.常に革新的なサウンドを追求し,2007年に山口情報芸術センター[YCAM]で委嘱制作された高谷史郎との《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》など,インスタレーションの発表を数多く行なっている.社会的な問題へも強い関心を持ち,森林保全と植林活動を行なう「more trees」,脱原発チャリティ・イヴェント「NO NUKES」,東日本大震災の被災地支援のための「こどもの音楽再生基金」「東北ユースオーケストラ」など,さまざまな活動を続けている.2014年には,札幌国際芸術祭(SIAF)のゲスト・ディレクターを務めた.2015年,映画『母と暮せば』と『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽を制作.2017年,8年ぶりのオリジナル・アルバム『async』を発表.ワタリウム美術館で「設置音楽展」を行なった.

高谷史郎

1963年生まれ.1984年からアーティスト・グループ「ダムタイプ」の活動に参加.様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり,世界各地の劇場や美術館,アートセンター等で公演/展示を行う.1998年から「ダムタイプ」の活動と並行して個人の制作活動を開始.舞台作品《明るい部屋》(2008年初演,世界演劇祭/ドイツ),《CHROMA》(2012年初演,滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール),《ST/LL》(2015年初演,ル・ヴォルカン国立舞台/フランス)を制作.マルセイユ・フェスティヴァル,國家兩廳院・國家戲劇院(台湾)での公演や,山口情報芸術センター[YCAM],ZKM(ドイツ),パリ科学産業会館,シャルジャ・ビエンナーレ(UAE)などでの作品展示,また,中谷芙二子,野村萬斎,樂吉左衞門らとのコラボレーション作品も多数.坂本龍一による音楽の最新パフォーマンス《ST/LL》は,2018年2月24日,25日に東京・新国立劇場で上演予定.

関連イヴェント

アーティスト・トーク 坂本龍一 高谷史郎

2017年12月9日(土)午後3時より
入場無料
会場:ICC 4階 特設会場

コンサート

2017年12月10日(日)午後7時より
前売券:3,000円 / 当日券:3,500円
会場:ICC ギャラリーA

設置音楽コンテスト,短編映画コンペティション 入賞作品公開

2017年12月9日(土)より
入場無料
会場:ICC シアター

* 関連イヴェントについて,詳しくはホームページなどで最新の情報をお知らせいたします.

東京オペラシティアートギャラリーとの相互割引

ICC受付にて,東京オペラシティアートギャラリーで同時期に開催の企画展「単色のリズム 韓国の抽象」「谷川俊太郎展」入場券をご呈示いただくと,本展に団体料金でご入場いただけます.また,東京オペラシティアートギャラリーご入場の際に,本展入場券をご呈示いただいた場合も,団体料金でご入場いただけます(他の割引との併用不可.ご本人のみ1回限り有効).

同時開催の展示

「オープン・スペース 2017 未来の再創造」
会期:2017年5月27日(土)—2018年3月11日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11 時—午後6時
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日 なお,2/12[月]は休館,2/13[火]は開館),年末年始(12/28-1/4) ,保守点検日(2/11)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

広報に関するお問い合わせ

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

広報担当:赤坂恵美子 企画担当:畠中実

TEL:03-5353-0800 FAX:03-5353-0900
E-mail:query@ntticc.or.jp
URL:http://www.ntticc.or.jp/

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