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プレスリリース


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2017年4月25日

オープン・スペース 2017 未来の再創造

会期:
2017年5月27日(土)—2018年3月11日(日)

会場:
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]


開催概要

会期:2017年5月27日(土)—2018年3月11日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11時—午後6時
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日.なお,2/12[月]は休館,2/13[火]は開館),保守点検日(8/6,2/11),年末年始(12/28-1/4)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:フリーダイヤル 0120-144199
URL:http://www.ntticc.or.jp/

※諸事情により開館時間の変更および休館の可能性がございます.最新情報はホームページなどでお知らせいたします.

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は,日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日,東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンしたNTT東日本の運営する文化施設です.ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきます.

オープン・スペースとは,2006年より開始された,ギャラリーでの年度ごとに展示内容を変える展覧会,ミニ・シアター,映像アーカイヴ「HIVE」などを,入場無料で公開するものです.ICCの活動理念にもとづき,より多くの方々に先進的な技術を用いた芸術表現とコミュニケーション文化の可能性を提示する開かれた場として機能することをめざしています.

展示概要

「オープン・スペース」展は,メディア・アート作品をはじめ,現代のメディア環境における多様な表現をとりあげ,幅広い観客層に向けて紹介する展覧会です.メディア・アートにおける代表的な作品,先端技術を取り入れた作品,批評的な観点を持つ作品,さらに研究機関で進行中のプロジェクトなどを,作品の理解を助ける解説とともに展示し,作品を楽しむだけでなく,その背景にある現代の多様化したメディアやコミュニケーションの在り方,現代社会における問題,未来への展望や,さらに新しい感性や美意識について考えるきっかけとなることをめざしています.

12回目となる今年度は,「オープン・スペース 2017 未来の再創造」と題し,開館20周年を迎え,これまでの20年をふりかえりつつ,ICCがこの先の20年にどのような未来を提示することができるのかをあらためて考え,新たな未来のヴィジョンを再創造することをテーマとします.

会期中には,アーティストや有識者を招いたトーク,レクチャー,シンポジウム,ワークショップ,学芸スタッフによる作品解説ツアーを開催するなど,さまざまなプログラムを用意しています.

出品作家および作品(順不同)

岩井俊雄《マシュマロスコープ》2002年

マシュマロのような形をしたオブジェの中を覗き込むと,まわりの風景や人が,まるで時間が行きつ戻りつするように変化したりして映っています.ヴィデオカメラでとらえた映像をコンピュータに蓄え,映像を再生する順番や長さを変化させることで,時間が変化しているように見えます.(2006–16年度オープン・スペース展示作品/継続)

岩井俊雄《マシュマロモニター》2002年

マシュマロのような形をしたオブジェの中を覗き込むと,映っている映像がリアルタイムにゆがんだり伸びたり縮んだりします.ヴィデオカメラでとらえた映像をコンピュータに蓄え,画面ごと,あるいは部分的に映像を表示する時間を変化させることで,空間の様子を変化させています.(2015–16年度オープン・スペース展示作品/継続)

evala [See by your ears]
 《Our Muse》(新作)
 《大きな耳をもったキツネ》2013–14年(鈴木昭男との共作)

[See by your ears]は,完全暗転した暗闇の中で,音の粒が飛び跳ね,うねり,「耳で視る」というまったく新しい聴覚体験をもたらすサウンド・プロジェクトです.
今回は,複雑な音響プログラムによって作曲された,4ピースからなるサウンド・インスタレーション・シリーズ《大きな耳をもったキツネ》において,新作《Our Muse》を追加して展開します.本作は特殊マイクロフォンによって録音された自然音などを素材に,楽器が巨大化したり,耳が水であふれたりといった神秘的な感覚を生む立体音響作品.そこではまるで音が生き物のように感じられ,動的に変化し続ける「音のアーキテクチャ」が浮かび上がります.その音の気配に耳を澄ませるとき,体験者の脳内には様々なイメージが表出し,「耳で視る」と表現される,人の知覚を拡張する新感覚のヴァーチュアル・リアリティが体験できます.
※1名ずつ10分以内の体験で,来場者は数曲の中から任意の曲をひとつ選択できます.

緒方壽人(Takram)《Oto-megane》2013年

一見すると何も映っていないディスプレイ.近づいてみると色々な音が聞こえてきます.「音めがね」をかざしてこの真っ白な画面を覗いてみると,音の意外な正体が…….普段は「聴く」ものである音に「見る」という行為が重なることで新たな体験が生まれます.

オーラ・サッツ《銃弾と弾痕のあいだ》2015年,《銃弾と弾痕のあいだで揺らめいて》2016年

《銃弾と弾痕のあいだ》は,第二次世界大戦における弾道学や初期コンピュータの発展に大きく貢献した女性たちの存在から着想を得た映像作品です.銃弾の高速度写真や,計算尺,パンチカード,コンピュータのシステム図などのイメージが次々と切り替わっていきます.作品タイトルは,当時女性たちが,記録された2点から,その間の銃弾の軌跡(弾道)を計算によって求めるという作業に従事していたことから採られています.映像作品とともに,共通のテーマをもつ《銃弾と弾痕のあいだに揺らめいて》も展示します.

スグウェン・チャン 《ドローイング・オペレーションズ・ユニット》2015年

人間と,その人の描画動作を模倣するようにプログラムされたロボットアームとが,協働して同時に一枚のドローイングを描いていきます.すると,人とロボットがお互いの動きを解釈しあっているかのような関係性が生まれます.プロジェクトは現在も進行中で,自動化や自律性,芸術表現における人とロボットとのコラボレーション,さらに行為の主体性などがテーマとなっています.

徳井直生+堂園翔矢(Qosmo)《The Latent Future——潜在する未来》(新作)

大量のテキストデータを学習したディープ・ラーニングの言語モデルを用いて,「ありえるかもしれない事実」を顕在化する新作インスタレーションです.近年しばしば喧伝される「なかったことにされた事実」「実際にあったかのような嘘」と同様に,AIが提示する事実は,現実と虚構,過去と未来の境界を曖昧にします.しかしAIが人間の思考の反映である限り,それら“事実”は,私たちに潜在していた未来の表れということができるかもしれません.

nor 新作

norは,建築家,デザイナー,音楽家,エンジニアなど多様なバックグラウンドをもつメンバーによって,2017年に発足.様々な テクノロジーを活用して,一般化された定義では捕捉しきれない未定義領域へアプローチし,空間設計,インスタレーション,プロダクト開発など,ハードとソフトの領域を横断した活動を行なっています.本展では,音と色の共感覚をテーマにしたアンビエント・インスタレーションの新作を展示します.

グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》1997年

アニメーションなど映像装置の原型ともいえる原理を応用した,ストロボの光を利用した立体的ア二メーションです.受話器を手にした人体がそれを中空に投げ上げると,放り上げられた受話器は哺乳壜,サイコロなどへと形態を変容させながら再び人体の手へと戻ってきます.残像の原理を利用して,人間と機械の間にある希望と葛藤を表現した作品です.ICCコレクション作品.(2006–16年度オープン・スペース展示作品/継続)

カイル・マクドナルド《群衆を書き尽くす》2015年

ロンドンのピカデリー・サーカスを12時間記録した映像が,ウェブサイト(http://www.exhaustingacrowd.com/)に表示されています.ユーザーは,そこに映っている人物,動物,さらに道路やゴミ箱などあらゆるものをクリックして,そこで何が起こっているかを投稿することができます.作品のタイトルは,フランスの作家ジョルジュ・ペレックが,パリの広場の一角に3日間陣取って著した『パリのひとつの場所を書き尽くす試み』にちなんでいます.

三原聡一郎 《  鈴》2013年

ガラスドームに包まれた作品回路に内蔵されたGM管が環境放射線を検知すると,ガラスベルが風鈴の様に音をたてます.古来,人が知覚できない邪気を捉え払うために吊るされていた小さな鈴のいわれをモチーフに,科学が発達した現代においてこの響きを放射線の存在と共に体験する作品です.東日本大震災後に作家が開始した「空白のプロジェクト」の二作目として制作されました.

ユェン・グァンミン 《微笑む木馬》2011年

ディスプレイには,女の子が木馬に乗って,去っていく様子が映し出されます.しかし,木馬が揺れ始めると,ディスプレイの前に取り付けられた実物の木馬の一部が動かないのと同様に,映像の中の木馬の位置は動かず,代わりに映像の領域全体が,ディスプレイのなかで揺れ始めます.ごく日常的な情景を題材にしながら,その視点をずらすことによって,わたしたちのリアリティについて問い直そうとする作品です.

ユェン・グァンミン《エネルギーの風景》2014年

東日本大震災をきっかけに,作家が住む台湾で撮影された映像作品.未完のまま廃墟となった住居, 台湾南部の小島にある小学校と放射性廃棄物貯蔵施設,さらに海水浴場とその先に見える原子力発電所が,ドローンや自作のケーブルカムによる撮影により次々と映し出されていきます.環境が,人間の意思や行為に関わらず決定的に変わってしまう可能性の存在とともに,我々の生活を支えるエネルギーの在り方についても問いかける作品です.


研究開発コーナー

大学などの研究機関における研究成果や事例を紹介するコーナーです.技術者や教育現場から発想される未来像を提示するとともに,最先端技術の共同研究の場としても展開していきます.

慶應義塾大学 松川昌平研究室+SBC合同研究会+archiroid

慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)では,SBC(Student Build Campus)と題した,SFCに学生・教員・職員が一丸となって「大学の未来とは何か」という問いに取り組み,新しい滞在型教育研究施設を共創するプロジェクトが進行中です.今年度は,第二期の施設が完成予定のほか,松川研究室の主導による第三期の設計作業が進められています.本展では,第三期の設計のプロセスそのものを展示します.

慶應義塾大学 鳴川肇研究室

鳴川研究室では,美術とエンジニアリングに共通するツールとして立体幾何学をとらえ,ジオデシックドームと呼ばれる軽量構造物の設計,テンセグリティー構造と呼ばれる軽量構造体の研究,オーサグラフと名付けた歪みの非常に少ない世界地図図法の開発などを行なっています.本展では,オーサグラフを用いたテーマ地図などを展示することにより,世界の見かたを更新する可能性を提起します.


新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」 emergencies!

「エマージェンシーズ!」は,今後期待される新進アーティストやクリエイターの最新の作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです.(年間3回展示予定)
エマージェンシーズ!031 具志堅裕介《ミキキキキミミ》

展示期間:2017年5月27日(土)—8月13日(日)
錯聴効果のうち,短いループ音を聞き続けていると聞こえ方が変化することを「音脈分凝おんみゃくぶんぎょう」といいます.《ミキキキキミミ》は,この音脈分凝と「視聴覚統合」と呼ばれる知覚の仕組みを利用し,画面に表示されることば(擬音語)を手がかりとして,鑑賞者の音のループの聴き方を誘導しようという作品です.

エマージェンシーズ!032 小林椋

展示期間:2017年9月12日(火)—11月26日(日)

エマージェンシーズ!033 和田夏実

展示期間:2017年12月19日(火)—2018年3月11日(日)


HIVE

ICCの映像アーカイヴ「HIVE」(ハイヴ)では,ICCの所蔵するヴィデオ・アート作品,アーティスト,科学者,批評家などのインタヴュー映像,1997年の開館以後開催されてきたICCの数多くの活動の映像記録をデジタル化し,コンピュータ端末から視聴することができます.また,上記のコンテンツのうち一部はHIVEのウェブサイト (http://hive.ntticc.or.jp/)からも視聴可能です.ウェブ版の映像には原則としてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与され,非営利目的での創造的利用を可能にすることで,文化資源としてのICCの活動記録をよりオープンなかたちで社会に開示することをめざしています.

20周年記念ロゴ

ICCは,2017年4月19日で開館20年を迎えました.開館20周年にあたり,さらに20年後に向けた展開をデザインした20周年記念ロゴを制作しました.これはICCのロゴを手がけた矢萩喜從郎氏のデザインによるものです.

20周年記念イヴェント

20周年記念イヴェントとして,国内外の文化機関との連携などを通じて,プレ・イヴェントやさまざまなゲストを招いた催しを行なう予定です.

プレ・イヴェント「これまでの20年/これからの20年 その先へ」

2017年度のオープンに先がけて,今年度の「オープン・スペース」展のテーマに則したトーク・セッションを開催します.

開催日時:2017年5月13日(土),14日(日)午後2時より
会場:ICC 4階特設会場

セッション1
「人工知能とアート 来るべきもの」

日時:2017年5月13日(土)午後2時より
出演:徳井直生(Qosmo)
中ザワヒデキ(美術家/人工知能美学芸術研究会代表)
yang02(アーティスト)
久保田晃弘(多摩美術大学教授)
畠中実(ICC)

人工知能は,いま新しいフェーズに入り,さまざまなかたちで社会に実装されようとしています.来るべき「ポスト・ヒューマン」時代に向けて,わたしたちは人工知能とどのように創造的に協働することができるのか,どのような美学的な可能性を持っているのか.それは,わたしたちにとって何であるのか,あるべきかを,さまざまな実践を通して考え,議論したいと思います.

セッション2
「これからのテクノロジー環境における新しいヴィジョンを求めて」

日時:2017年5月14日(日)午後2時より
出演:伊藤亜紗(東京工業大学)
緒方壽人(Takram)
ドミニク・チェン(早稲田大学准教授/NPOコモンスフィア理事/Dividual共同創業者)
塚田有那(編集者/Bound Baw編集長)
渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
畠中実(ICC)

現在,人間とテクノロジーを融合させた様々な動きがある一方で,人間や社会の機能不全に対し,テクノロジーはどのように介入することができるのでしょうか.現代のテクノロジー環境の中で,持続可能な人間像,社会像をいかに構築することができるのか.未来に向けた,新しいヴィジョンの思考が望まれています.ICCの20周年を参照点とし,人間とテクノロジーの関係について,多角的な視点から議論します.

「オープン・スペース 2017 未来の再創造」展関連イヴェント

「オープン・スペース 2017 未来の再創造」展出品作家によるイヴェント

2017年5月27日(土),28日(日)には,来日する作家によるイヴェントの開催を予定しています.

ギャラリーツアー

ICC学芸スタッフが展示作品について解説します.2017年6月から2018年2月まで,毎月1回開催します.
定員:各回20名(事前予約不要)

※関連イヴェントについて,詳しくはホームページなどで最新の情報をお知らせいたします.

お問い合わせ

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

広報担当:赤坂恵美子
TEL:03-5353-0800 FAX:03-5353-0900
URL:http://www.ntticc.or.jp/

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