Production Assistant/Still Photographer: Kira PEROV
Supervising Producer: Susan DOWLING
Produced in association with the New Television Workshop at WGBH-TV, Boston

ヴィオラは，テレビを見る人の位置と視線を逆転し，家のリヴィング・ルームに座ってテレビを見ているかのように，固定されたカメラを黙ってじっと見つめる人々のポートレートを作った．ボストンに住む40人余りが登場するそれぞれ1分間の部分は，テレビ放映のために特に作られたもので，毎日の番組放映スケジュールの間に予告なく挿入するものとして計画された．ヴィオラは，テレビ放映の時間と空間を本質的にくつがえす．これらの実時間のポートレイトの持続が，テレビの番組編成の空間的時間的な領域に編集作業のように介入してくるからである．「この作品では二つの古典的なポーズを見て取ることができる．よそ行きのポートレイト写真のポーズと，家でテレビを見るくつろいだポーズである．作品はテレビと視聴者の古典的な関係を一時的に逆転し，テレビは逆ポートレイトのメディアとなる」（ビル・ヴィオラ）．

注：このコンピレーションは，もとの1分間のポートレートから15秒を，収録された順に抽出したものである．

《Reverse Television—Portraits of Viewers (Compilation Tape)》1984