Recorded/Edited: Bill VIOLA
Post Production Engineers: John J. GODFREY, Tom T. KLEMESRUD
Editor: Tom T. KLEMESRUD
Produced in association with the International Television Workshop, New York

ソロモン諸島で作られた2本のヴィデオのうちの2番目にあたる《月のヤシの木　Palm Trees on the Moon》の中で，ヴィオラは，伝統に根付いている一方で西洋の影響に直面する文化のパラドクスのメタファーとして，音と映像による意識の流れを示した．最初に月へ行った3人のアポロ宇宙飛行士を記念してヤシを植え付けたヴィル村のフレッド・コナと，儀式の踊りが今では娯楽として行なわれる各島間の祭りによって，文化の遷移が示されている．「このプログラムの構成は，私が現地で体験したのと同様の見る体験をつくり出す．伝統的な踊りの長いシークエンスは，絶えず異文化的映像によって中断される．それはあまりにも短く，他の部分と同期していないため，おそらく見る者を少しばかり混乱させるだろうが，ソロモンの人々にとってはそれが日常的な現実なのである」（ビル・ヴィオラ）．

《Palm Trees on the Moon》1977