日時： 2004年3月13日（土）14時
会場： ICC 5F ギャラリーA

InterCommunication – ICC Report:
2003年秋に実施した『記録と表現――アーカイヴを作る・使う』から浮かび上がった問題を検証するために，シンポジウムと展示・ワークショップを開催した．

会期中ギャラリーBでは「百聞は一見にしかず」のことばの通り，人間の視覚の不思議を，体験することで理解できるワークショップ型展示「目カメラワークショップ」を開催した．これは東京大学インテリジェント・モデリング・ラボラトリー（IML）の茅原拓朗，東京大学先端技術研究所の上原玲子，乃村工藝社の梅田晶子らによる研究の成果をもとに，2つのテーマにまつわる7つのエピソード「視覚と身体（象の目で見てみる・魚の目で見てみたい・世界よまわれ・でこぼこ反転）」「視覚と脳（見られている身体・どっちが前・私はどこ）」を体験するギャラリー・ツアーを開催した．また，同時にメディア・アーティスト八谷和彦の《視聴覚交換マシン》，ICCコレクションのグレゴリー・バーサミアンの《ジャグラー》もあわせて展示された．来館者はICCナビゲーターと対話をしながら，これら7つのエピソードと2つの作品の視覚の謎に挑戦した．

そして，「目カメラワークショップ」のテーマに基づいたシンポジウムが3月13日に開催された．これは，茅原拓朗，八谷和彦らの展示内容の紹介にはじまり，テレイグジスタンスの研究者である NTTコミュニケーション科学基礎研究所の前田太郎，知覚の実験心理学の研究者である東京大学の佐藤隆夫，さらにインターネット・テレビ会議システムを使い，カリフォルニア工科大学の下條信輔も参加した．

パネリストたちは日頃の研究についての成果の紹介を通して，視覚と身体性に関するなぞと課題を提起し，またパネリスト間でディスカッションが長時間にわたって交わされた．［大和田龍夫］

出典：『季刊 InterCommunication』No.49（NTT出版，2004）

百聞は一見にしかず—21世紀の新しい表現の作法を求めてシンポジウム「見ることは信じること？」

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シンポジウム「見ることは信じること？」