ICC

概要
「テレ・プレゼントとサンクスウェア」とは、Web上にページを公開すること の意味を問い、ネットワークにおける「見る側と作家の関係」を、現在よりカ ジュアルな形で双方向に強めるための試みである。まず、出品作品はムーヴィー /テキスト/音/フォント・データなどを使って、Web上で特定の相手に「プレゼ ント」をする。そして、観客(ユーザー)は各ページにつけられた「ボタン」に よって「サンクス度数」を投票し、それが別ページにリアルタイムで表示され るというものだ。
現在、インターネットのエコノミクスとして、贈与(フリーウェア)と資本主義 (E-cashなど)という相反する力学が同時に働いているが、ネットが双方向コミュ ニケーションの契機となるためには、金銭やメールを送るよりもハードルの低 い「感謝の表明システム」が必要なのではないだろうか。つまり、ページを見 たり、データをゲットしたりしたら、最低限度「評価」をしていってほしい、 というコンテンツが「サンクスウェア」なのだ。もっとも簡潔なメタファーで いえば、「テレ・プレゼント」は演芸における「大喜利」であり「サンクス度」 が「座布団」といえる。筆者(Mas山)は95年4月-5月にWeb上のフリーウェア展 示会「テレ・フロッケ」を企画、開催しており、その進化バージョンという位 置づけになる。

企画:Mas山寛

企画協力:松本弦人
製作協力:スパナー社/河村眞紀子