三上晴子 欲望のコード

このたび,NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] では,2010年に山口情報芸術センター [YCAM] にて委嘱制作し公開された,三上晴子による大規模なインタラクティヴ・インスタレーション《欲望のコード》の新ヴァージョンを発表します.
巨大な壁面には,センサーと小型カメラを搭載した90個のデヴァイスが設置され,天井からは,カメラとプロジェクターが搭載された6基のロボット・アームが吊られています.各装置は,昆虫がうごめくように観客の位置や動きを察知し,それに向かって動き出し,観客を監視します.会場の奥には,昆虫の複眼のような巨大円形スクリーンが位置し,それぞれのカメラの映像データは,世界各地の公共空間にある監視カメラの映像とともに独自のデータベースを構築し,過去と現在や会場と世界各地の映像が,複雑に交錯しながらスクリーンに投影されます.
三上晴子は,「情報環境と身体」をテーマに,コミュニケーション・テクノロジーとその情報生態系が生み出す相互作用の中で自身の芸術表現を行なってきたアーティストです.この作品では「現在の情報化された環境と知覚に生きるわたしたちの新たな欲望とはなにか」を問題意識として,映像,音響,データなど,さまざまなネットワーク環境からの情報を,自律的なシステムを持つコードによって再構成することで制作されています.鑑賞者に反応するように動き出す,生きたような空間/装置の中で,現在の情報技術とインタラクションの生み出す,時間/空間の変容を体験することができる作品です.《欲望のコード》は本展覧会終了後,世界各地に巡回する予定です.
■作家の略歴
三上晴子
アーティスト.1984年から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表.1992年から2000年までニューヨークを拠点に主にヨーロッパとアメリカで数多くの作品を発表する.1995年からは知覚によるインターフェイスを中心としたインタラクティヴ作品を発表.視線入力による作品,聴覚と身体内音による作品,触覚による三次元認識の作品,重力を第6の知覚ととらえた作品などがある.ミロ美術館,ウィーン・クンストラハウス,ナント美術館,メディア・アート・チャイナ,トランスメディアーレ,オランダ・DEAF,アルス・エレクトロニカ,YCAM,ICCなど国内外の美術館,メディア・アート・フェスティヴァルに出品参加.現在,多摩美術大学教授.
■関連イヴェント
○アーティスト・トーク
日時:2011年12月16日(金)午後6時より
定員:200名(当日先着順)
入場無料
○アーティストによるギャラリーツアー
出展作家三上晴子が作品を解説します.
日時:2011年12月17日(土)午後6時より
定員:50名(当日先着順)
入場料:展覧会入場チケットが必要です.
■関連展示
《Eye-Tracking Informatics――視線のモルフォロジー》
1996年にキヤノン・アートラボで制作発表された視覚の実験である《モレキュラー・インフォマティクス―視線のモルフォロジー》は,96年から04年までヴァージョンアップをしながら世界各地で発表された作品です.この作品は,体験者の視線を視線入力装置によって感知し,それによって描かれる形態を,仮想の3次元空間内に生成していくインスタレーションです.「視ることそのものを視る」,「無意識と意識の連鎖」というふたつのコンセプトから,空間と身体の対応関係を再考しようとしたものです.
YCAMでの再制作ヴァージョンを《欲望のコード》の公開とあわせて発表します.
会期:2011年12月9日(金)―18日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] シアター
休館日:月曜日
* ご覧になる場合は,展覧会入場チケットが必要です.
東京オペラシティアートギャラリーとの相互割引
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 受付にて,東京オペラシティアートギャラリーで同時期に開催の企画展入場券をご呈示いただくと,本展に団体料金でご入場いただけます.また,東京オペラシティアートギャラリー企画展ご入場の際に,本展入場券をご呈示いただいた場合も,団体料金でご入場いただけます(他の割引との併用不可.ご本人のみ1回限り有効).
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