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展示概要・作品

テーマ展示「ミッション G:地球を知覚せよ!」

1961年に世界初の有人宇宙飛行が実現し,人類は地球を初めて外から見る視点を獲得しました.その時わたしたちは,地球を自らの反映として認識する時代へと移行したといえるでしょう.72年の地球観測衛星の登場,90年代半ばのインターネットの普及を経て,現在わたしたちは,地球規模の情報を日常的に見聞きし,地球の画像をコンピュータ上でナヴィゲートさえできる時代にいます.それとともにグローバルな環境や社会の変動を,自らとの関係においてとらえるまなざしが生まれつつあるのではないでしょうか.
地球上のあらゆる場所にセンサーを設置し,観測データをネットワークでつなぎ,データベース化するプロジェクトが世界各地で行なわれはじめています.産官学の研究機関によるものに加え,世界中の個人が自主的に連携し行なわれる観測も活発化しています.地球を知覚することにより,新たな技術やシステムそして知が,グローバルに生みだされ共有されつつあるのです.
本展では,アートとサイエンスを横断し,先見的なヴィジョンとともに歩む5つのプロジェクトを紹介します.いずれも地球(グローブ)の未来に向けたミッションとして,地球上のさまざまなデータをセンシングし可視化することで,わたしたちの知覚認識を問い直そうとするものです.これらは展示期間中,つねに新たなデータをプロセスしながら変容しつづけていきます.