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    2005年4月29日(金・祝)—7月3日(日)ギャラリーA,B,5Fロビー,エントランス・ロビー 
		 
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		| はじめに | 
	 
	
		 
 
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この展覧会は,デジタルベースの情報環境が日常に浸透した現在において,「自然」というものをあらためて問い直し,芸術と科学のより多様な関係へと「開いていく(open)」ことを試みるものです.
私たちにとって「自然」とは,情報技術を介在させた知覚によって,さまざまなスケールへと拡張したものとなっています.宇宙や深海など,人間が直接到達できない地域で採集されたデータは私たちに知覚可能な自然として再構成され,ナノレベルではゲノム解析をはじめ人間が新たな対象として探査されています.
  
情報環境における自然観の変遷の中で,決定的な転換点となったのが,1980年代以降に飛躍的進展を遂げた複雑系科学といえるでしょう.そこでは諸現象の生成や変動プロセス(生命や気象,経済,交通など)をコンピュータの中にシミュレートしようとする方法によって,「自然」を写像や素材ベースとしてではなく,パターンベースとみなす視点が提出されました.人間の意図を超えた情報の自律的な展開や形態化はまた,人間を客観的な観察者としてだけでなく,情報の結節点(ノード)ととらえる視点をももたらしたのです.
多くの芸術表現において,自然は外的な模倣・描写の対象でした.しかしコンピュータ内に生成される新たな自然は,人間の知覚認識や既成概念ではとらえきれない組織化を実現することで,メディア・アートに新たなヴィジョンを与えています.アーティストたちは,現在の科学技術や思想,政治,経済の動向と共振し,社会,都市,宇宙,そして自らを含む世界全体を,さまざまな情報の流れが相互に作用するプロセスとしてとらえはじめたのです.
  
本展覧会では,デジタルベースの情報環境によって可能になった新たな知覚および社会の問題を敏感に感知し,人間と植物,気象と建築,天体とサウンド,インターネットとマラソンなど,かつてない視点で多様な情報を創造的に連結・変換していくアーティストやデザイナー,建築家,企業の作品やプロジェクトを紹介します.
  
ミクロ/マクロ,可視/不可視,アナログ/デジタル,物質/非物質など,これまで対立するとみなされてきた諸要素が,ここでは新たな「自然」として提示されます.会場を訪れた人々は,知覚可能な物や現象から,その背後に横たわる膨大な情報のダイナミクスを想像すると同時に,そこから新たな関係性・可能性を探索していくことが期待されています.
 
 
  
 
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