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2002年2月24日(日)—3月24日(日)ギャラリーB
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展示作品 |

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《Personal Skies》
"Personal Skies"
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深澤直人 + IDEO
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ニューヨーク近代美術館[MoMA]「workspheres」展より
2001年2月,ニューヨーク近代美術館[MoMA]にて「workspheres」展は開催された.企画はMoMAのキュレーター,パオラ・アントネッリによるもので,「明日の仕事環境をデザインする」というものだ.6人の招待作家に異なるテーマが与えられ,私のテーマは「Individuality within corporate identity」(会社の中での個人)というものだった.これは,会社組織という枠のなかで,プライヴァシーなどを含んだうえでの個というものを,どのようにあらわすかという抽象的なテーマだった.たぶんそれは,IT技術の急速な発達が仕事の時間や場所の概念を変えてしまうことによって,明日の仕事の姿はいったいどうなるのかという問いかけで,いつでもどこでも仕事が偶発的に始まる環境が個人の固定した仕事スペースの存在や個性をなくすだろうという予測が含まれていた.
《Personal Skies》
《Personal Skies》は,人がオフィスのデスクにつくと,空が頭上に浮かびあがるというものだ.オフィス内に青空や雨の空,夕焼けや月の出た空が点在するようになればいいと思った.空は公のものである.そして,それはその下にいる人,あるいはそれを見上げる人の心理と同調する最も個人的な幻想でもある.常に青空が幸せの象徴であり,灰色の空が憂鬱な心理と同調するかのように語られるが,気分によっては雨空に慰められ,青空が疎ましいく思うこともある.空は心理を映す鏡のようなものであり,極めて個人的なものである.
切り取られた空
世界中のリアルタイムの空を切り取ってオフィスに持ち込めるということは,個人の心理空間に入り込めることを意味する.オフィスで個人のサイズをあらわす概念としてデスクが用いられる.だから空は個人の空間認識としてデスクと同じサイズにした.
相手の空の下へ
別の場所にいる人どうしは空で繋がっている.相手の空の下に入り込むということは,今いるオフィスの中で自分を別の場所につれて行くということである.それは電子メールや電話によって相手の環境に自己がワープするのと同じことである.
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