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はじめに
アーキテチュラ映画解説
入場料
パフォーマンス
参加作家

2000年9月23日(土)午後6時〜 [終了しました.] ギャラリーA





アーキテチュラ映画解説


アーキテチュラ
−建築による人工世界と電子音楽との共同作用の探究−


≪タワー・オブ・ウインド≫(映画1)
カラー/6分25秒/1999年


伊東豊雄の「風の塔」は,昼間は横浜のロータリーの中心に,楕円形のアルミのシリンダーとしてそびえ立ち,夜は都市の風,温度,喧騒がもたらす光を写す万華鏡に変身する.テイラー・デュプリーとサバス・イサティスが,この変身にサウンドトラックを提供するとともに,世界中に直立する構造物のモンタージュを作る.


≪ターミナル・ハピネス≫(映画2)
カラー/4分28秒/1999年


テツ・イノウエは,ニコラス・グリムショウ設計のウォータールー駅に対し,聴覚的な解釈を試み,ストラクチャーの非対称さを反響させる駅のアーチと表面の音のダイアグラムとを理解する.「room fx」は,このグローバリゼーション時代に世界の人々が時間,空間,場所のコンセプトを再評価する場所である自己充足環境として列車と空港のターミナルを解釈するという探求に音楽を付する.


≪エンクローズド・ネイチャー≫ (映画3)
カラー/1分27秒/1999年


連立する3つのドームから構成される長谷川逸子設計の山梨フルーツミュージアムは,富士山のなだらかな斜面に建設され,ナチュラルなフォルムを持つメタリックな植物の住居として機能している.デヴィッド・トゥープの「ユートピア・イン・ア・フィクション・フォーム」に合わせたこの短編は,自然の包囲とテクノロジーによる自然のコントロールを検証する.


≪モニュメンタル・ミニマリズム≫(映画4)
カラー/1分30秒/2000年


パナシアの「ヴォイド・オブ・セーフティ」の抑制された熱狂を背景とするこの短編映画は,オスカー・ニーマイヤーの計画都市ブラジリアのパラドックスを訪ねる旅を描く.官能的かつ禁欲的なコンクリートの上にニーマイヤーは独自の曲線と曲面を使い,上品で簡素なモダニズムのトラディショナルな直線的表面と対比させながら,モダニスト建築の外観を変えた.ブラジリアは,階級の垣根を取り払うという政治的矛盾をはらんだ希望で建設されたが,すぐにエリートのためのゴーストタウンと化した.ブラジリアの未来彫刻のような建造物は,今もこの町を惑わせ,幽霊のようにつきまとう.


※これら4本からなる映画「アーキテチュラ」はCDシリーズにおいて取り上げられた建築と音楽をコンセプトに制作されたもので,以上のテキスト中に言及されている建築と作品中に登場する建築とは必ずしも対応していません.