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イヴェント




レクチャー
10月3日
10月10日
発表資料:東倉洋一
発表資料:山崎芳男
10月11日
10月13日
 
1998年10月 3・10・11・13日 [終了しました.] ギャラリーD





イヴェント


レクチャー第2回:音・コミュニケーション

講師 : 山崎芳男(早稲田大学,千葉工業大学)


「 百聞は一見にしかず」と言われるように音は映像やコンピュータデータに比べて従属的なものと捕らえられがちである.実は音は映像や文字情報に優るとも劣らぬ重要な情報伝達手段なのである.

普段意識しないが,目で捉えられる範囲は前方に限られ,それ程広いものではない.したがって人間は元来後ろからの情報の多くは聴覚,気配というものに頼っている.人間はたった2つの耳で様々な方向から来る音を聞き分けている.ちょっと信じられないことであるが,人間は片耳を塞いでもしばらくするとかなり正確な音源位置の特定が可能である.これは永い経験でさまざまな方向や距離から来る音の特徴を正確に記憶しているからである.

バーチャルリアリティという言葉を頻繁に耳にするようになったが,音の分野では古くは蓄音機,ステレオと音環境の忠実な伝送を志向していた.電話の通話品質は決して高いものではないが,電話はそれをVRと意識するかいなかは別として多くの人々に自然に空間移動の道具として利用されていた.
最近新幹線内や自動車運転中の電話が社会問題化しているが,これは音だけによるコミュニケーションがいとも簡単に人間を現実空間とはまったく次元の異なる世界に引き込んでいる証である.
衣食足りて…ではないが,人間にとって快適な音環境が不可欠である.

今日は,最新の技術を駆使して様々な音環境を作り出し,そこで遠藤律子トリオ(ピアノ・遠藤律子,ベース・山口彰,ドラム.・佐藤節雄)とボーカル田村美沙の皆さんによるバーチャルリアリティジャズコンサートをお楽しみいただく.