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この年表は,1951年から1995年までの美術,メディア,文化,技術関連の主な出来事をまとめたものです. 展覧会カタログ「アート&テクノロジーの過去と未来」(99ー105ページ)でも同様にご覧頂けます.

年表内項目の区分
美術関連の出来事 メディア,文化,技術関連の出来事




*文章の無断転用・転載はお断り致します.


1951
1 
 NHK ラジオ「紅白歌合戦」第1回放送開始
3 
 日本初の総天然色映画『カルメン故郷に帰る』(監督:木下恵介) 封切
6 
 NHK ,初のテレビ実況中継の実験実施. 後楽園球場から日本橋三越へプロ野球を中継
11 
 〈実験工房〉第1回発表会バレエ「生きる悦び」ピカソ展(11月16日,日本橋・高島屋)
美術,音楽,技術者が参加したグループ〈実験工房〉が,舞台美術と音楽を担当
 
 朝日放送(3月),東京放送(5月),RKB 毎日放送(6月)民間放送局,相次いで設立

1952
2 
 〈実験工房〉第3回発表会(2月1−10日,神田・タケミヤ画廊)
山口勝弘の《ヴィトリーヌ》が展示される. 凹凸のあるガラスによって,作品を鑑賞する人が動くのに合わせて変化をしているように見える作品
4 
 手塚治虫『鉄腕アトム』マンガ連載開始

8 
 『アサヒグラフ』の原爆被害写真特集,国内外で大反響を呼び,即日完売.約60万部を売る

12 
 松下電器産業,モノクロ・テレビ受像機を発売. 価格は29万円

1953
2 
 NHK 東京テレビ局,本放送を開始
4 
 東京通信工業(のちのソニー),トランジスタの研究を開始
6 
 東京駅ホームに,赤色公衆電話機(赤電話)の第1号,設置
8 
 日本テレビを筆頭に民放テレビ局も放送開始,街頭テレビに黒山の人
9 
 〈実験工房〉第5回発表会(9月30日,第一生命ホール)
東京通信工業の協力によって,オートスライド・プロジェクターを使った4作品を初めて発表
10 
 ボクシング世界フライ級タイトルマッチ,初のテレビ中継

1954
2 
 力道山人気,街頭テレビでプロレス熱高まる
11 
 映画『ゴジラ』(特撮:円谷英二)公開
 
「新・三種の神器」として,テレビ,洗濯機,冷蔵庫が人気に

1955
1 
 トヨタ「トヨペット・クラウン」発表
4 
 制作者懇談会結成
画家の池田龍雄,河原温,石井茂雄らが,映画の羽仁進,佐藤忠男や写真の奈良原一高などと活動をともにする
 東京大学生産技術研究所,ペンシル・ロケット発射実験成功
7 
 「真夏の太陽にいどむ野外モダンアート実験展」(7月25日−8月6日,芦屋川畔芦屋公園の松林)
野外という展示状況のもとで,動きや変化をともなった従来の絵画や彫刻に分類できない独創的な作品が数多く展示された
10 
 第1回具体美術協会展(10月19−28日,青山・小原会館)
最初の具体展. 田中敦子《作品(ベル)》,白髪一雄《泥に挑む》,村岡三郎の紙破りなどが出品される
 NHKのテレビ受信契約数,10万を突破
12 
 映画『銀輪』が完成
新理研映画に勤めていた松本俊夫が,〈実験工房〉との共同により,円谷プロの協力を得て制作した自転車産業振興協会のPR映画. 監督=矢部正男/松本俊夫/樋口源一郎 台本・演出・美術=北代省三/山口勝弘/松本俊夫 音楽=鈴木博義/武満徹
 東芝,日本初の電気釜を発売. 2年後には累計販売台数が100万台を突破

1956
7 
 経済白書で「もやは戦後ではない」
 
 石原慎太郎「太陽の季節」が芥川賞を受賞(1月),石原裕次郎初 出演の同名映画封切(5月)など,いわゆる“太陽族”ブーム

1957
5 
 第1回舞台を使用する具体美術協会展(5月29日,大阪・産経ホール)
舞台での初の発表会. 田中敦子《舞台服》
8 
 「実験工房メンバーによる新しい視覚と空間を楽しむ夏のエキシビジョン」(8月1−31日,新 宿・風月堂)
江川和彦による企画で北代省三のモビール,大辻清司の写真,山口勝弘の《ヴィトリーヌ》などを展示し,期間中に電子音楽やミュージック・コンクレートの鑑賞会を開催
9 
 NHK ,大相撲実況中継で,スローモーション・フィルム録画機を初めて使用
12 
 NHK ,FM ラジオ実験放送開始

1958
2 
 ラジオ東京テレビ(KRT ,のちのTBS)で,初の国産テレビ映画『月光仮面』放映開始
5 
 テレビの受信契約数が100万を突破
6 
 東京の契約電話50万台突破
8 
 ビクター,日本初のステレオレコード発売
9 
 「草月アートセンター」が発足
現在の草月会館と同じ場所に,1958年6月丹下健三が設計した「草月会館」が完成し,同年9月13日に「草月アートセンター」が発足.現代音楽,アニメーション,ジャズ,映画のプログラムを次々に実施し,当時の前衛芸術に関わる人々が集結.やがて責任者の勅使河原宏が自身の映画制作で忙しくなり,アーティストや批評家たちが自発的に企画し,同センターの多様性を生む結果となる.また,海外の前衛映画や日本の若手芸術家に多くの発表の機会を与えた.照明家の今井直次や音響技術者の奥山重之助,そしてデザイナーの杉浦康平などが,作品,並びにイヴェント制作をサポート.1960年代の芸術文化を牽引するめざましい活動が行なわれたが,1971年4月に解散.その活動内容については『輝け60年代:草月アートセンターの全記録』(フィルムアート社,2002)に詳しい
11 
 ラジオ受信契約数,1481万の最高記録達成(以後,減少)
12 
 東京,芝に東京タワー完成.テレビ塔としては世界一の高さ (333 m)

1959
 
 8 ミリ映写機,人気を博す
 NHK 教育(1月),日本教育テレビ(のちのテレビ朝日,2月),フジテレビ(3月)と,テレビ局の開局相次ぐ



1960
4 
 草月コンテンポラリー・シリーズ/2 作曲家集団/4月の会 武満徹(4月28日,草月会館)
ミュージック・コンクレート《能舞・水の曲》初演
5 
 ソニー,世界初のトランジスタ・テレビ「TV8-301」発売
8 
 テレビの受信契約数が500万台を突破
 〈グループ・音楽〉結成
小杉武久,塩見千枝子(のち允枝子),刀根康尚,水野修孝らで結成された,日本で最初の即興演奏集団
9 
 テレビのカラー本放送開始
テレビ放送のカラー化に伴い,家電各社がカラーテレビ発売.当時の価格で40万円前後
11 
 草月コンテンポラリー・シリーズ/5 三人のアニメーション
(11月26日,12月3,10,17日,草月会館)
商業アニメに対抗して結成された〈アニメーション3人の会〉(久里洋二,柳原良平,真鍋博)の初めての発表会.アニメ技法の革新だけでなく,ジャズや現代音楽など他ジャンルとのコラボレーションが試みられた.これを契機に64年から,アニメーション・フェスティヴァルが開催される

1961
7 
 草月シネマテーク第1回「ドキュメンタリーの視点」(7月17日)
松本俊夫の実験的ドキュメンタリー作品『西陣』が上映される
9 
 〈グループ・音楽〉第1回公演「即興音楽と音響オブジェのコンサート」(9月15日,草月会館)
10 
 草月コンテンポラリー・シリーズ/9 高橋悠治ピアノ・リサイタル1 「ピアノディスタンス」(10月30日,草月会館)
一柳慧の帰国を機に,アメリカの前衛音楽が紹介され,チャンス・オペレーションズの手法が注目される.演目:武満徹《ピアノ・ディスタンス》/ジョン・ケージ《ウィンター・ミュージック》/ラモンテ・ヤング《習作1・3 》/一柳慧《ピアノのための音楽2 》/佐藤慶次郎《ピアノのためのカリグラフィ》
12 
 瀧口修造の企画による〈グルッポT〉の展覧会が開催される(東京日本橋・南画廊)
動きや変化を作品の重要な要素としても持つ同グループが初めて日本で紹介される.ブルーノ・ムナーリが瀧口に声をかけて実現した

1962
2 
 日本電気が国産初の大型コンピュータ「NEAC2206」を発表
3 
 テレビの受信契約数が1000万を突破. 普及率48.5%
5 
 〈時間派〉,第1回展覧会(銀座・サトウ画廊)
美術作品に時間を持ち込むことを意識したグループが結成され,はじめての展覧会を行なう
10 
 草月コンテンポラリー・シリーズ/17 ジョン・ケージ,デーヴィッド・テュードア演奏会(10月9,10日,東京文化会館小ホール)
両者が初来日した際に行なわれたコンサート.ケージは,静寂の中で電気炊飯器やフライパンなど台所などにある日用品が発する音を聴かせた.高橋悠治,黛敏郎,武満徹,小野洋子ら出演.この他にも,京都,大阪,東京にて「ジョン・ケージとデーヴィッド・テュードアのイヴェント」が開催された

1963
1 
 手塚治虫『鉄腕アトム』(CX)テレビ・アニメ放映開始
6 
 ナムジュン・パイク阿部修也が出会い,《ロボット K-456》を制作
8 
 第1回内科シネマテーク(新橋・内科画廊)
前衛美術の発表を積極的に行なった画廊で,飯村隆彦の作品が上映される
11 
 日米間の初のテレビ衛星中継(ケネディ大統領暗殺ニュースの映像)
12 
 「SWEET 16 パフォーミング・フェスティバル」(12月3 −5日,草月会館ホール)
飯村隆彦《リリパット王国舞踏会》(出演:風倉匠),《スクリーン・プレイ》,小杉武久《劇場のための音楽》など,音楽,舞踏,美術の多分野からの参加

1964
5 
 草月コンテンポラリー・シリーズ「白南準作品発表会」(5月29日,草月会館ホール)
出演:ナムジュン・パイク,一柳慧,小杉武久,刀根康尚,小野洋子,塩見千枝子,赤瀬川原平,中西夏之,和泉達,アンソニー・コックス,高松次郎,土方巽,武田明倫,ジェット・カーティス
6 
 早川電機(のちのシャープ)がトランジスタを利用した電子式卓上 計算機「コンペット」を世界で初めて量産販売
9 
 フィルム・アンデパンダン結成
足立正生,飯村隆彦,石崎浩一郎,大林宣彦,佐藤重臣,高林陽一,富田勝弘,森田一朗,ドナルド・リチーで結成
10 
 国鉄,東海道新幹線(東京−新大阪間)開業
 第18 回オリンピック東京大会開催
 ソニー,世界初の家庭用VTR ・1 /2 インチ小型VTR 〈CV-2000〉(ポータパック)を開発
肩掛け式携帯ヴィデオ録画機で,アメリカで先に販売された.高価ではあったが,個人が使用できるヴィデオの登場によって,マスメディアとは別のメディアのありかたが模索されるきっかけとなった.とくにヴィデオはフィルムと違い,その場ですぐに再生できる機能に大きな関心が寄せられた

1965
9 
 国鉄がコンピュータを導入,「みどりの窓口」を開設
10 
 朝永振一郎が「くりこみ理論」など,量子力学分野の研究でノーベル物理学賞を受賞
12 
 「ミューズ週間」(モダンアートセンター・オブ・ジャパン)
ヨシダ・ヨシエによる企画で,〈ゼロ次元〉や〈時間派〉,赤瀬川原平,刀根康尚,足立正生らが参加

1966
1 
 空想特撮ドラマ『ウルトラQ 』(TBS)テレビ放映開始
2 
 世界前衛映画祭—映画芸術の先駆者たち(2月1 −14日,草月会館)
ルイス・ブニュエル『アンダルシアの犬』,クリス・マルケル『ラ・ジュテ』など,世界各国の前衛,実験映画が2 週間にわたって上映される
4 
  ソニーの立体プロムナード式のショールーム「ソニービル」,東京・銀座数寄屋橋角に完成
6 
 草月シネマテーク「アンダーグラウンド・シネマ」
飯村隆彦《AI(Love)》《リリパット王国舞踏会》ほか,スタン・ブラッケージ,ドナルド・リチーらの作品が上映される
7 
 『ウルトラマン』(TBS)テレビ放映開始
9 
 「色彩と空間」展(南画廊)
東野芳明企画.作家自身が制作をするのではなく,手の痕跡を残さない工業的な生産過程によって作品をつくりだす「発注芸術」という言葉が生まれる
11 
 「空間から環境へ」展(11月11 −16日,銀座・松屋)
「絵画+彫刻+写真+デザイン+建築+音楽の総合展」という副題がついていた.ここに参加した作家たちを中心に「エンバイラメントの会」が発足.この時期には「環境」という言葉が盛んに用いられ,異分野による総合的なイヴェントの開催から,タブローやオブジェだけではなく展示空間全体を使った作品の概念,現在とも近い自然環境を強く志向する概念から,アラン・カプローなどのハプニングと近接した日常と芸術の連続を意識するものまで,一義的には定まらない状況が生まれる
 
 トヨタ「カローラ」,日産「サニー」,1000ccクラスの乗用車発売でマイカー時代の幕開き
 カセット式テープレコーダー,複写機の需要増大

1967
3 
 「アンダーグラウンド・フィルム・フェスティバル」(3月8 −14日,草月会館ホール)
ジョナス・メカス『樹々の大砲』,大林宣彦『伝説の午後=いつか見たドラキュラ Emotion 』などが上映される
5 
 インターメディア(銀座・ルナミ画廊)
石崎浩一郎を中心に,石子順造,金坂健二らが,エクスパンデッド・シネマ,ハプニングな
どを混在させた企画を行なう
6 
 国内の自動車保有台数100万台突破
10 
 ニッポン放送にて深夜放送「オールナイト・ニッポン」放送開始
11 
 第1 回草月実験映画祭(11月7 −25日,草月会館)
招待作品のほか,公募作品も上映される. 公募作品のうち,山田学,月尾嘉男の《風雅の技法》が奨励賞を受賞.日本初のコンピュータ・アニメーションで,多数の立方体をプロッターで描画している

1968
4 
 Expose1968 「なにかいってくれ,いま,さがす」(4月10,15,20,25,30日,草月会館)
さまざまなジャンルの表現者が集い,新しい芸術のありかたを探る連続シンポジウム. 山口勝弘,東野芳明が日本初のヴィデオを使ったイヴェントを行なったほか,2日目「俺たちはみんな気狂いピエロだ」では,松本俊夫《つぶれかかった右眼のために》が上映される
 民放12社,UHF 本放送開始
 日本初の高層ビル,霞ヶ関ビルディング完成
6 
 現代の空間 '68 〈光と環境〉展(6月7 −12日,神戸・そごう)
山口勝弘,山本圭吾ヨシダミノル,河口龍夫,坂本正治らが出品する
7 
 Expose1968 「変身,あるいは現代芸術の華麗な冒険」(7月17 −19日,草月会館)
Expose1968 シリーズの第2弾. シンポジウム形式ではなく,作品の紹介に特化したイヴェント.映像を撮るだけでなく,見せる(プロジェクション)ことへの意識が高まってきた
 日本電信電話公社,ポケットベルの営業開始
8 
 「サイバネティック・セレンディピティ」展(8月2日−10月20日,ICA ロンドン)ヤシャ・ライハート企画によるコンピュータ・アートを含む野心的な展覧会.日本からはCTGの作品が出品された
9 
 コンピュータ・アート展(9月5 −21日,銀座・東京画廊)
CTG ,《APM no.1 》,ドローイング・シリーズ出品

1969
2 
 クロストーク/インターメディア
(2月5 −7日,国立代々木体育館,主催:アメリカ文化センター)
1967 年から連続で開催された前衛芸術のイヴェントのうちで最も多くの観客を集めて実施されたもの. 秋山邦晴,湯浅譲二,アメリカの作曲家ロジャー・レイノルズらが企画に関わる.スタン・ヴァンダービーク,ゴードン・ムンマ,ロバート・アシュリー,グループ・音楽,飯村隆彦,武満徹,土方巽,松本俊夫らが作品を発表
3 
 原栄三郎・藤枝晃雄・篠原有司男『空間の論理』(ブロンズ社)刊行
60 年代後半の美術作品に生じた「空間」への志向を広める役割を担った
 NHK ,FM ラジオ本放送開始.
4 
 「国際サイテック・アート展—エレクトロマジカ '69」展(4月26日−5月25日,銀座・ソニービル,主催:JEAA ・ソニー(株))
ニコラ・シェフェール,山口勝弘,高橋士郎,CTG ら出品. 特に坂本正治《時分割テレビ》(3秒ずつのタイムラグで10台のモニターが再生する),ラール・フレデリクソン《Psycho Puls-Generator 》は日本で最も早いモニター・カメラを使用した展示作品である
9 
 映画『薔薇の葬列』公開
《エクスタシス》《マグネチック・スクランブル》の一部が,ヒッピーやゲイたちが見ているア
ングラ映画として引用される



1970
1 
 藤子不二雄のマンガ『ドラえもん』が連載開始
2 
 シャープ,液晶LSI を使った電卓,発売. 価格が10万円を切る
3 
 日本万国博覧会が大阪で開幕.総入場者数は万博史上最高の約6422万人.日本の現代美術家も多数参画する
中谷芙二子(ペプシ館・霧の彫刻)/松本俊夫(せんい館・総合ディレクター)《スペース・プロジェクション・アコ》/ヨシダミノル小杉武久(お祭り広場・環境音楽の作曲)/山口勝弘《スペース・レヴュー》(三井グループ館),等
5 
 「第10回日本国際美術展—人間と物質」展(5月10 −30日,東京都美術館ほか)
ブルース・ナウマン《作品》(ダンスを12台のモニターで放映),キース・ソニア《トーキョー・セット》(2 台のモニター,カメラ,投光器などによる作品)などを展示
 東京国立近代美術館フィルムセンター開設
8 
 飯村隆彦『芸術と非芸術の間』(三一書房)刊行
アメリカにおける映像(ヴィデオを含む),ハプニング,前衛演劇などを紹介

1971
2 
 「クロストーク5」(2月15日,朝日新聞社ホール,主催:アメリカ文化センター)
飯村隆彦がヴィデオ・ライヴ・パフォーマンス《OUTSIDE &INSIDE 》を行なう. カメラを屋外と会場内に各一台ずつ設定し,Tele-beam (投影用テレビ装置)と数台のモニターで,同時に双方向的に中継した
4 
 「草月アートセンター」解散
 『仮面ライダー』(NET)テレビ放送開始
5 
  第10回現代日本美術展(5月10 −30日,主催:毎日新聞社,東京都美術館ほか)
飯村隆彦《男と女》,磯辺行久《VIDEO DOCUMENTATION (PHOENIX HOUSE SUMMER HAPPENING)》が出品される
7-8 
 テレックス・プロジェクト「ユートピア・Q&A」(ソニービル)
E.A.T.の企画に,日本から中谷芙二子小林はくどう,森岡侑士らが参加.東京の人たちとの相互干渉を試みる
8 
 世界初の完全自動一眼レフ「アサヒペンタックスES」発売
10 
 NHK 総合,全放送をカラー化.カラー受信契約数1000万突破
11 
 ナムジュン・パイク個展「エレクトロニック・アート III」
(11月23日−12月11日,ニューヨーク・ボニーノ画廊)
〈パイク=アベ・ヴィデオ・シンセサイザー〉を初演

1972
2 
 〈ビデオひろば〉結成
マイケル・ゴールドバーグの来日をきっかけに,山口勝弘,一柳慧,東野芳明,中谷芙二子小林はくどう松本俊夫,宮井睦郎らが結成したグループ
 ビデオコミュニケーション/DO IT YOURSELF kit」(2月24日−3月5日,ソニービル)
マスメディアとしてのテレビとは違って,メディアを「自分たちでつくる」ことで,芸術から政治までを対象に,一般人のあいだに新しいコミュニケーションが生まれる可能性を探る試み. 〈ビデオひろば〉のメンバーが中心となって開催
3 
 具体美術協会解散
6 
 「松本俊夫の実験映画をみる会」(6月9 ,10日,草月ホール)
《メタスタシス新陳代謝》《オートノミー自律性》《エクスパンション 拡張》を発表
8 
 「活躍する僕たち72・8 /4 →8 /9 展」(京都市美術館/京都書院ホール)野村仁,書店の監視用モニターに移る自分の姿を記録した写真を出品する(撮影は16ミリ)
 カシオ,家庭用電卓「カシオミニ」発売. 1万2800円
10 
 「開かれた網膜・わしづかみの映像=ビデオ・ウィーク」(アメリカンセンター/ビデオひろば共催)[10月1日,ビデオ・ピクニック/10月6−11日,ビデオ・ショー(アメリカンセンター)/10月8日,ビデオ・デイ/10月12日,シンポジウム]
〈ビデオひろば〉がヴィデオ・カメラを持って新宿の雑踏を移動しながら,行き交う人々にカメラを向ける
11 
 〈ビデオ・インフォメーション・センター〉設立
国際基督教大学の学生だった手塚一郎,伊藤裕介らが集まり,ヴィデオを使った記録と交換,上映を行なうネットワーク作りをめざしたグループ

1973
1 
 マトリックス・ビデオ国際会議(カナダ)
中谷芙二子が参加し,〈ビデオひろば〉のメンバーの作品を上映
6 
 東洋現像所(現IMAGICA ),スキャニメイトを導入
3 
 経済企画庁委託横浜桜木町駅前再開発地区ビデオ調査.ビデオによる新・住民参加の手法
〈ビデオひろば〉のメンバー,山口勝弘,中谷芙二子,かわなかのぶひろ,小林はくどう,松下章子らが,モデル地区となった横浜・野毛を中心に住民に再開発計画についてのヴィデオ・インタヴューをして,行政へのフィードバックを試みた
 小松左京のSF 小説『日本沈没』発行. 400万部を越える大ベストセラーに
4 
 藤子不二雄の『ドラえもん』日本テレビ系列でアニメ放映開始
(人気が出たのは79年以降のテレビ朝日系列版)
10 
 江崎玲於奈がノーベル物理学賞を受賞
11 
 オイル・ショックの影響で物価高騰
 五島勉『ノストラダムスの大予言』発行.たちまち大ベストセラー

1974
1 
 トーキョー・ニューヨーク・ビデオ・エキスプレス(天井桟敷館)
アンダーグラウンド・センターと〈ビデオひろば〉が主催し,国内のヴィデオ作品とニューヨークから久保田成子が送ってきたヴィデオ作品の上映会が実施された
6 
 マイケル・シャンバーグ&レインダンス・コーポレーション『ゲリラ・テレヴィジョン』刊行(訳:中谷芙二子,美術出版社)
原書は1971年刊 ("Guerrilla Television" by Michael Shamberg &Raindance Corporation)
10 
 『宇宙戦艦ヤマト』(NTV )テレビ放映開始
11 
 カシオ,初の液晶デジタル時計「カシオトロン」発売

1975
5 
 ソニー,ベータマックス規格初の家庭用ビデオデッキ「SL-6300」 発売
7 
 沖縄海洋博覧会,開催
10 
 「第13 回サンパウロ・ビエンナーレ(10月17日−12月15日)
山本圭吾《ビデオゲーム・五目並べ》,山口勝弘《ラスメニーナス》《ランドスケープ》を出品

1976
5 
 ホログラフィの幻想展(池袋・西武美術館,企画:坂根厳夫)
9 
 小西六写真工業,世界初のオートフォーカス機能搭載のコンパクト・カメラ「コニカC35AF」発売
10 
 ビクター,世界初の家庭用VHS ビデオデッキ「HR-3300」を発売
11 
 日本初のマイコン雑誌『I /O 』創刊

1977
1 
 東京・四谷に「イメージフォーラム」開設
4 
 第13 回現代日本美術展(4月28日−5月14日,東京都美術館ほか)
ヴィデオ部門が設立される.山本圭吾《FOOT No.3》佳作賞を受賞
6 
 ドクメンタ6
前回の第5回からテーマ性を前面に出した同展でヴィデオ・アート部門が開設され,日本からは久保田成子,山本圭吾らが出品した
12 
 「日独ビデオ・アート」展(12月15−23日,福井県立美術館)
公立美術館としては初のヴィデオ・アート展.日本側7名,ドイツ側6名が出品.中原佑介,山口勝弘,かわなかのぶひろによるシンポジウム開催
 
 ローランド,初のデジタル・シーケンサー「MC8」発売

1978
2 
 YMO (イエロー・マジック・オーケストラ)デビュー
3 
 〈くにたちビデオひろば〉がスタート
国立市公聴ビデオ条例の可決を受けて始まる.行政は機材などの提供はするが,内容には関与せず,小林はくどうの指導を受けた市民が自主的にヴィデオを制作し,それが意見として行政にフィードバックされる
5 
 国際ビデオ・アート展「TOKYO '78」(5月20−27日,朝日講堂,草月会館)
日本における最初の本格的かつ国際的なヴィデオ・アートの展覧会
 成田の新東京国際空港,厳戒体制の中,開港
7 
 タイトー社のゲーム「スペース・インベーダー」登場.
 
 ディスコ・ブーム,カラオケ・ブーム

1979
2 
 パイオニア,業務用LD プレーヤー発売
 
 「ビデオ—東京から福井と京都まで」展(4月13日−6月13日,ニューヨーク近代美術館)
出光真子,かわなかのぶひろ,小林はくどう,黒崎彰,松本俊夫,道下匡子,中井恒夫,中島興,中谷芙二子,野村仁,ヴィデオ・インフォメーション・センター,山口勝弘,山本圭吾が出品. 企画:バーバラ・ロンドン
 『機動戦士ガンダム』(NBN)テレビ放映開始
7 
 ソニー,携帯型ステレオカセットプレーヤー「ウォークマン」発売
9 
 シャープ,業界初のタブレット入力方式ワープロ「書院〔WD-3000〕」発表
 NEC ,パーソナルコンピュータ「PC-8001」発売. 以後,コンピュータが個人の生活の場にも入りはじめる
11 
 冨田勲「エレクトロ・オペラ Mind of Universe」(11月19日,九段・日本武道館)
企画・構成:小松左京 コンピュータ・アニメーション:ウィリアム・エトラ,トム・ディファンティ,ダン・サンディン ファッション・デザイン:ティエリー・ミュグレー
12 
 電電公社,東京23区での自動車電話サービスとコードレス電話のサービスを開始



1980
3 
 つくば研究学園都市が完成.43にのぼる研究・教育機関が集まる
6 
 ソニー,フィリップスとの技術協力で,光学式デジタル・コンパクト・ディスクシステムに改良を加えた新フォーマット開発
7 
 ナムコのゲーム「パックマン」発売
9 
 音声多重放送開始
10 
 ビデオギャラリーSCAN ,開設(原宿)
中谷芙二子が開設した,ヴィデオ・アートを本格的に日本に紹介したギャラリー. 第1回目の個展では(当ギャラリーの命名者であり,翌81年にかけて日本に長期滞在した)ビル・ヴィオラの作品を上映. 春と秋に行なわれたコンペティションは,日本の若手ヴィデオ・アーティストの発掘に大きく貢献した. そのビル・ヴィオラを筆頭に,マイケル・ゴールドバーグ,松本俊夫,萩原朔美,山口勝弘,バーバラ・ロンドン,浅田彰,藤幡正樹 ,中島興らが審査員として参加.審査員のラインナップが毎回入れ替わることで,つねに多様な視点が反映された
12 
 第1回ビデオ・アンデパンダン展—アート・アンド・ドキュメント
(12月1−6日,大阪府立現代美術センター)
アンデパンダン形式でヴィデオ作品が出品されるようになる. 多くのアーティストがヴィデオを使えるようになってきた
 ソニー,3.5インチ・フロッピー規格を発表

1981
3 
 ポートピア '81「国際ビデオ・アート展」(神戸)
39作品が出品される大規模な国際展
9 
 「パフォーマンス・イン・ビデオ」展(9月18 −27日,福岡市美術館)
風倉匠,菅木志雄のパフォーマンスや田中泯,浜田剛爾,ステラークらのパフォーマンスを映像で上映した
10 
 パイオニア,レーザーディスクを発売
 福井謙一が,化学反応に関するフロンティア電子理論でノーベ ル科学賞を受賞
11 
 宇宙開発事業団,静止気象衛星「ひまわり2号」の打ち上げに 成功

1982
5 
 富士通,ワープロ「マイ・オアシス」発売. ワープロ普及が本格化
6 
 東北新幹線(大宮−盛岡間)開業
7 
 富士通が日本初のスーパーコンピュータ「FACOM VP-100」「VP-200」の2 機種を発表
10 
 電機メーカー各社,CD プレーヤー発売開始
11 
 上越新幹線(大宮−新潟間)開業
12 
 NHK テレビ音声多重放送本放送開始
 電電公社,初のテレホンカード用公衆電話,設置開始(東京・有楽町)
 
 〈アール・ジュニ〉結成
科学と技術の成果を芸術やデザインに生かし,科学者,技術者,芸術家が話しあえる場を作ることを目的に,山口勝弘を中心に設立. グループ名は「総合された諸技術,総合された諸芸術」を意味するフランス語のarts-unis による. 「ハイテクノロジー・アート展」「光の造形展」などに参加する

1983
5 
 ヤマハ,MIDI 対応のデジタル・シンセサイザー「DX-7」発売
7 
 SIGGRAPH 83(デトロイト)で,藤幡正樹 《Mandala 1983》,河口洋一郎《Growth》が高い評価を受ける
 任天堂「ファミリーコンピュータ」発売
10 
 「ビデオ・アート—多様な展開の中で」展(10月29日−11月6日,福岡市美術館)
インスタレーション:飯村隆彦山本圭吾中谷芙二子,中井恒夫,原田大三郎 ヴィデオ・パフォーマンス:川口真央,黒川芳信ほか,日本のヴィデオ・アーティスト11 人,海外の5人のテープ作品を上映. また,境界領域のヴィデオ作品,ホーム・ヴィデオ,ファッション・ショーのテープ,テレビ・コマーシャル,PV のテープなども幅広く上映
 日本初の対外受精児が東北大学医学部付属病院で誕生
11 
 「第2 回現代芸術祭—芸術と工学」展(富山県立近代美術館)
12 
 「エレクトラ '83」展(パリ市立近代美術館)
田中敦子山本圭吾出品

1984
1 
 日本で放送衛星「BS-2」打ち上げ,世界初の衛星放送開始
6 
 「ナムジュン・パイク展—ヴィデオ・アートを中心に」(6月14日−7月29日,東京都美術館)
日本で初めての本格的な個展.大きな反響を呼ぶ
9 
 ダムタイプ結成
10 
 日本初のパソコン向け商用オンライン情報サービス「NIKKEI TELECOM」開始
 パイオニア,世界初のカーCD プレーヤー発売
 
 電電公社の日本縦断光ファイバー・ケーブルの東京−大阪間が完成
 セイコー,世界初の液晶テレビ「マイチャンネル」発売

1985
2 
 「ハイテクノロジー・アート国際展 '85」(渋谷・西武)
3 
 茨城県つくば研究学園都市で「国際科学技術博覧会」(通称・つくば科学博)が開幕.
半年余りの会期中に2033万人が入場
4 
 「第17 回現代美術展」(4月24日−5月10日,東京都美術館ほか)
岩井俊雄《時間層 II 》が大賞を受賞
 電電公社民営化,日本電信電話会社(NTT)発足
5 
 パソコン通信「ASCII-NET」,サービス開始
9 
 つくば科学博「ザ・ユニバース」にて「TV-WAR」発表(9月15日)
浅田彰/RADICAL TV/坂本龍一らが参加.ソニーのジャンボトロンを使用して,オーディオ・ヴィジュアル・ライヴ・イヴェントを実施した
11 
 第1 回ふくい国際ビデオ'85 フェスティバル—VIDEO ・時代の呼吸
(11月2 −17日,フェニックス・プラザ)
ディレクター:藤枝晃雄 ヨーロッパ,アメリカ,日本のアーティストらの作品上映とシンポジウムを開催し,以後,継続して開催される. 福井出身の山本圭吾が開催に大きく貢献している

1986
3 
 第6 回ハラ・アニュアル(原美術館)
青木野枝,岩井俊雄,大塚由美子ら出品
5 
 エニックス社「ドラゴンクエスト」を発売
7 
 富士写真フィルム,レンズつきフィルム「写ルンです」発売
12 
 「前衛芸術の日本1910 −1970」展(87年3月まで,パリ・ポンピドゥー・センター)
 
日本の大学のコンピュータ・ネットワークJUNNET (Japan Univer-sity Network),アメリカのUSENETへ接続し,インターネット接続が始まる

1987
6 
 第二電電,日本テレコム,日本高速通信の新電電3 社,事業をスタート
7 
 「JAPAN '87 ビデオ・テレビ・フェスティヴァル」(7月29日−8月23日,青山・スパイラル)
国内外のヴィデオ・テレビ作品約60本の上映に加え,パフォーマンス・ヴィデオ,アジアのヴィデオ・テレビ,ヴィデオ・マガジン・ヴィデオ・クリップ,CG レイトショー,シンポジウム,レクチャーを行なう
 NHK が24時間衛星放送開始
10 
 利根川進,ノーベル生理学・医学賞を受賞
12 
 「'87 東京国際ビデオ・ビエンナーレ」(12月5 −6日,スパイラルホール)
ローリー・アンダーソンのレクチャー・ショー(「トーク・ノーマル」),招待作品のほかに,一般公募グランプリ作品(邱世原,高城剛)を上映
 
 電子手帳,DAT (デジタル・オーディオ・テープレコーダー)発売
 電子出版活発化(『広辞苑』などCD 化)

1988
2 
 エニックス社「ドラゴンクエストIII」発売
3 
 第2 回ふくい国際ビデオ・ビエンナーレ(3月12 −21日,フェニックス・プラザ,福井県立美術館)
総合コミッショナー:藤枝晃雄 ベルギー,イタリア,西ドイツ,アメリカ,日本の作品を上映
4 
 NTT ,ISDN のサービスを開始
6 
 ダムタイプ《プレジャー・ライフ》(6月3 −5日,原宿・クエストホール)
 
 シャープ,液晶カラー・ディスプレイを開発

1989
1 
 昭和天皇崩御,平成ヘ改元
4 
 任天堂,携帯型液晶ゲーム機「ゲームボーイ」を発売
6 
 NHK 衛星第2テレビ,ハイビジョン実験放送開始
7 
 NTT 「ダイヤルQ2」サービス開始
 「第1 回名古屋国際ビエンナーレ・ARTEC '89」(7月15日−11月26日)
国際指名コンペ「アーテック館」世界デザイン博覧会として,中島興,岩井俊雄ら出品.また国内公募「未来芸術展」が7月7 −23日,名古屋市科学館展示ホールにて開催されたほか,国際シンポジウムを行なう.以後,ARTEC はビエンナーレ形式で継続
 「第3 回ふくい国際ビデオ・ビエンナーレ—拡張と変容」(7月29日−8月20日,フェニックスプラザ・福井県立美術館)委員長:松本俊夫ビル・ヴィオラ5点,岩井俊雄5点のほか,イタリア,オーストラリア,オランダ,カナダ,アメリカ,フランス,ユーゴスラヴィア,日本の各国の選考委員選出による作品上映を行なう
8 
 幼女連続誘拐殺人事件容疑者逮捕,「おたく」が話題に
 海洋科学技術センターの深海潜水船「しんかい6500」,日本海溝で水深6527mの海底到達に成功
9 
 NHK ・BS1 /BS2 ,本放送開始
 ソニー「ハンディカム」発売,大ヒット
12 
 バブル経済絶頂(日経平均株価38915円87銭)
 富士通「FM タウンズ」,東芝「ダイナブック」,NEC 「98 ノート」をそれぞれ発売.ノート型PC 普及の時代に



1990
5 
 ゴッホの絵画を125 億円で落札するなど,美術オークションで ジャパン・マネーの台頭
6 
 東京都写真美術館開館(6月1日)
10 
 「第1回ふくい国際青年メディアアートフェスティバル」(10月31日−11月5日,だるまや西武)
山本圭吾,ドン・フォレスタらによる日仏ネットワーク芸術が発表される
 日本IBM「DOS/V」発表
11 
 任天堂「スーパーファミコン」発売と同時に大ヒット
12 
 トヨタ,日産,日本電装,住友電気が共同で,カーナビゲーションCD-ROM 規格を公開

1991
3 
 NTT インターコミュニケーション'91 「電話網の中の見えないミュージアム」
(3月15 −29日,首都圏の電話回線内)
当時,特定の展示施設を持っておらず,開設準備を進めていたICC の初めてのイヴェント. 電話網を美術館に見立て,電話やFAX,コンピュータを通じてアクセスし,約100人のアーティストや作家,文化人などの作品やメッセージを鑑賞するという実験的イヴェントだった
6 
 キヤノン・アートラボ発足.第1回企画展(TEPIA)コンプレッソ・プラスティコ,中原浩大,福田美蘭
7 
 第11回オマージュ瀧口修造展—実験工房と瀧口修造(京橋・佐谷画廊)
8 
 第4回ふくい国際ビデオ・ビエンナーレ—越境する映像」(8月9 −18日,福井県立美術館)
企画委員長:山本圭吾 日本を含めた6 カ国(オーストリア,チェコスロヴァキア,ドイツ,ハンガリー,ポーランド,日本)の各国コミッショナー選出による作品上映のほか,ヴィデオ・インスタレーション,ヴィデオ・パフォーマンスなどが発表された
 NTTドコモ,設立
11 
 BS ハイビジョン試験放送開始

1992
2 
 『インターコミュニケーション』(NTT 出版)創刊
4 
 NTT インターコミュニケーション '92 「脱着するリアリティ」
(3月28日−4月16日,スパイラルガーデン)
藤幡正樹 ,入江経一による大規模インスタレーション
10 
 シャープ「液晶ビューカム」発売
11 
 「ビデオ・新たな世界—そのメディアの可能性」展(品川・O 美術館)
ヴィデオのエフェクト効果やインスタレーションへの展開が盛んになってきた状況を踏まえ,あえて過去の作品の回顧と新プロジェクト,「パーソナル・ビデオ」というカテゴリーを設け,ヴィデオを再考する意図をもった企画展
11 
 ソニー,MD (ミニディスク)プレーヤー発売
 
 タイトー,ISDN 通信回線を利用した業務用カラオケ・システム「X2000」の製造販売を開始
 パソコン通信ユーザー,155万人に拡大

1993
1 
 具体展II —1959 −1965 (芦屋市立美術博物館)
5 
 日本電気「MS-Windows 3.1日本語版」発売
7 
 ボイジャー・ジャパン「エキスパンド・ブック・ツールキット日本語版」日本で発売
10 
 NTT インターコミュニケーション '93 「メディア・パサージュ」
(10月27日−11月16日,渋谷ビーム)
ジェフリー・ショー,アグネス・ヘゲドシュ,マット・マリカン等の作品が展示される
 シャープが携帯情報端末「ザウルス」発売

1994
2 
 「戦後日本の前衛美術」展(横浜美術館,ゲスト・キュレーター:アレクサンドラ・モンロー)
 パソコン通信「NIFTY-Serve (のちの@nifty)」,インターネット接続 サービスを開始
4 
 デジタルホン・グループ(現ボーダフォン)ツーカーホン・グループが携帯電話サービス開始
6 
 エプソン,カラー・インクジェット・プリンタ「MJ-700V2C」発売
9 
 クリスタ・ソムラー+ロラン・ミニョノー《A-Volve》
企画:NTT インターコミュニケーション・センター(ICC) 推進室
ICC の「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムとして,ATR 人間情報通信研究所の客員研究員トマス・レイ博士との研究協力により制作される
 アートラボ第4回企画展「LOVERS −永遠の恋人たち」(9月23日−10月3日,代官山・ヒルサイドプラザ)
10 
 NTT インターコミュニケーション '94 ジョージ・コーツ・パフォーマンス・ワークス日本公演「NOWHERE NOW HERE」
 
 松下「3DO REAL」(3月),セガ「セガサターン」(11月),ソニー「プレイステーション」(12月)発売で,32bit ゲーム機競争激化
 インターネット日本本格上陸,IIJ 国際接続開始

1995
1 
 阪神淡路大震災で6000人以上が死亡
3 
 地下鉄サリン事件発生. オウム真理教に捜査の手が入る
 カシオ,世界初デジタルカメラ「QV-10」を発売
7 
 PHS サービスがスタート(DDI ポケット,NTT パーソナル)
11 
 NTT インターコミュニケーション '95 「on the Web —ネットワークの中のミュージアム」
藤幡正樹ラボ,岩井俊雄江渡浩一郎三上晴子をはじめ,合計22 組のアーティストの作品をウェブ上で公開
 マイクロソフト「Windows95日本語版」発売
 
 インターネット商用プロバイダーの設立,相次ぐ
参考文献(順不同)
「国際ビデオ・アート展〈TOKYO '78〉」プログラム(1978年5月20日-27日,朝日講堂,草月会館)
「ビデオ・新たな世界—そのメディアの可能性」展カタログ(1992年11月3日-25日,(財)品川文化振興事業団O 美術館)
『美術手帖』第678号(1993年11月)森岡祥倫+美術手帖編集部「20世紀のアート&テクノロジー史」(pp.104-107),美術出版社
『美術手帖』第706号(1995年5月)高島直之+前山裕司+森岡祥倫監修「特集:戦後50年 写真で見る日本の現代美術」(pp.22-230),美術出版社
「草月アートセンターの記録」刊行委員会編『輝け60 年代:草月アートセンターの全記録』フィルムアート社,2002
『美術手帖』第866号(2005年7月)「特集:日本近現代美術史 1905-2005」(pp.13-216),美術出版社
『20世紀全記録(増補版)』講談社,1991
『情報の歴史(増補版)』松岡正剛・監修,NTT 出版,1996
ソニーイーエムシーエス(株)「工業年表」〈http://www.sonyemcs.net/cgi-bin/top.cgi
フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」〈http://www.ja.wikipedia.org/wiki/メインページ〉

他,各出品作家の個展カタログなどを適宜参照した.