ICC
エマージェンシーズ!008
八木良太「回転」 展示期間:2008年4月19日(土)—6月29日(日)[終了しました.]
エマージェンシーズ!008
撮影:木奥惠三

氷でできたレコードは,あたかもその記録された音楽が再生されながら消えていくように融けだし,ターンテーブルの上で回転するひとつの音程のみが記録されたレコードは,陶器を制作する「ろくろ」として使用されながら,それによって音程を変化させる音響装置として生まれ変わります.

八木良太は音響作品をはじめとして,オブジェや映像,インスタレーションからインタラクティヴな作品まで,多様な表現手法を用いて制作を行なっています.本やレコード,あるいは日用品などの身近なものを題材にして,それらが持つ機能を読み替え,再編集することによって,もうひとつの意味をユーモラスに浮かび上がらせます. 再生が始まると同時に融け始め,記録された音がすぐさま損なわれていってしまう,いわば不完全な記録媒体である氷のレコード.回転するレコードの溝に鉛筆などをあて,レコード針の代用にして,そこに刻まれた音を振動として直接聴く作品.レコードのそれぞれの面に海上の音と海中の音を記録し,海上と海中のどちらにも属する,極めて薄い膜のような存在としての水面を表象する,サウンド・オブジェとしてのレコード盤など,今回の展示では,レコードという「回転するもの」をテーマにした作品を紹介します.

八木良太 プロフィール

1980年愛媛生まれ.2003年京都造形芸術大学空間演出デザイン学科卒業.現在,同大学非常勤講師.既成の日用品などが持つそれ自体の機能に独自の解釈を付加することによって,主に音や文字,時間を題材に作品を制作.京都在住.

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日時:2008年5月11日(日)午後2時より[終了しました.] |→ 詳細|