ICC

概要
現在、母国を離れて暮らす人々の数はすでに世界人口の1%に達し た。
いまや難民と移民は地球上の大問題、の観がある。
近代、地球にはいくつかの難民共和国が登場したが、とりわけ合衆 国の例をみると、外国人の安定した流入が世界的な経済発展の鍵で あることがわかる。ただし、この事実への認識は世界のどこであろ うと、つねに低い。
同時に、国家間の境界線は物理的にどんどん硬化している。エレク トロニクス技術による物理的な国境線の監視が簡単になり、最小限 の労力で気楽に監視できるようになったのだ。これまで民族的、国 家的、地理的に安定していたゾーンは、交通と情報革命/爆発の犠 牲になりつつある。
全世界に散らばった難民を「地球を覆い尽くすネット」とみなし、 それ自体がひとつの国家だと考えると、その「国民」は社会経済的 にも政治思想的にも、21世紀のアヴァンギャルドというにもっとも ふさわしい(そして恐らく唯一の)存在となるだろう。
多文化、多宗教、多言語で、社会思想的チャレンジ、経済的チャレ ンジをあえて試み、問題解決のための実験を遂行していくような、 「超領土的」国家の実験的建設が求められている。その結果が、全 世界にとっての構造的モデルとなるに違いないのだ。
地球最大の企業であるNTTが今回、難民共和国株式会社の最大にし て有一の出資者となった。この展開はNTTのグローバル・ビジョン と進歩的なコミュニケーション思想に完全に合致する。難民共和国 がNTT主催のICCをこのプロジェクトのパートナーに選んだのも、だ から当然のことなのだ。
NTTの電子空間(テレ・テレトリー)に難民共和国を誕生させると いう今回のテレ・アドベンチャー。この大冒険に乗り出そうと いう、真のグローバル的なパートナーシップに僕たちは期待をか けている。