ICC

オープン・スペース 2012

「コーポラ 凝固・凝結」
ダブルネガティヴス アーキテクチャー

撮影:木奥恵三

ダブルネガティヴス アーキテクチャーは,「もし建築家がこれまでとは異なる表記システム=空間を記述する方法を使ったら,まったく異なる空間概念,空間デザインが生み出されるのではないか」という考えにもとづき,さまざまな実践を行なっています.

彼らの代表作《コーポラ イン サイト》は,スマートダスト・テクノロジーや強化現実(AR)などの技術と,アルゴリズミック・デザイン,生成的デザインなどのさまざまな要素を組み込んだインスタレーションです.展示会場周辺の気象変化によって変容する建築を提示することで,建築が周辺環境と相互に影響し合い,建築そのものが自己を再デザインすることの可能性が探求されています.そこでは仮想の構造が気象変化に応じて再計算され,終わることのないプロセスはいかにありうるのかが実験,検証されています.

今回の展示は,《コーポラ イン サイト》を含む「コーポラ プロジェクト」のもうひとつの側面を紹介するものです.終わらないプロセスを意図的に「凝固・凝結」させ,その結果が物質として現実の世界にたち現われたとき,建築はわたしたちとどのような接点をつくりだすのでしょうか.そのような関心から,実際に製作され,使用されていたインテリア什器を含め,プロセスがどのようにプロダクションされたかを,模型やドローイング,ソフトウェアを交えて解説します.

コーポラ プロジェクト・メンバー:市川創太,アコシュ・マローイ,マックス・ライナー,小旗かおる
協力:バウ広告事務所,善光産業,國廣純子(hclab.,東京UAA国際研究院),田中陽輔(hclab.,東京理科大学助教),新井崇俊(hclab.,東京大学大学院)

製作サポート:安藤陸,池辺俊祐,市倉隆平,太田圭亮,坂本将則,堤坂浩之,佐藤岳志,佐野俊太郎,下野恵理子,竹内里美,野崎晋太郎,花本昭平

謝辞:オッフェンバッケル・フェレンツ(ケペシュ・インスティテュート),カザリー・イシュトワン(ケペシュ・インスティテュート),ヴィンセ・カロリー(Fémsystem),ヴォイシャンスキ・イシュトワン(Fémsystem)

ダブルネガティヴス アーキテクチャー(dNA) プロフィール

建築家市川創太(1972年生)を中心に,1998年から活動する建築グループ.さまざまなメディアを横断しながら,空間・環境のコンセプトを提案している.建築家の言語ともいえる図法,空間の表記方法自体を問い直し,独自の設計方法の獲得をめざしている.プロジェクトごとにメンバーを構成し,構造家,デザイナー,メディア・アーティスト,音楽家などが参加している.
過去に参加した展示・イヴェント

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