ICC

会期:2010年1月16日(土曜)〜2月28日(日曜)

《オープン・(リ)ソース・ファニチャー Ver.1》
2009年—
田中浩也+岩岡孝太郎+平本知樹

パーソナル・コンピュータの普及によって,まず出版や音楽,映像において一般化した個人レヴェルの制作活動の波は,現在家具や建築のデザインにまで及んでいます.比較的安価な3Dプリンタの登場は,デザインから出力,完成品の組立てまでのすべての工程を個人のみでまかなうことを可能にしました.こうした個人による工作の可能性が拡張された状況をふまえた本プロジェクトでは,そこにアルゴリズミックな生成過程を組み込むことにより,さらにデザインの可能性を拡げようとしています.複数のパラメータを任意に設定し,決定された基本形から自動的に生成するさまざまな形状の部品を自由に組み立てることで,多様な空間が作り出されます.またそこから機能や用途が見出されていく過程を,まるで植物を栽培するように観察することができるかもしれません.

田中浩也
1975年北海道生まれ.京都大学総合人間学部基礎科学科,同大学院人間環境学研究科修了後,東京大学空間情報科学センター,京都大学情報学研究科COE研究員を経て,現在は慶應義塾大学環境情報学部准教授.博士(工学).財団法人国際メディア研究財団非常勤研究員を兼務,環境装置開発ユニット“tEnt”共同主宰.動的・生成的な空間デザインのためのツール開発,ノーテーション開発,デバイス開発,システム開発などを理論から実装まで幅広く手がける.主な受賞に2008年アルス・エレクトロニカ(オーストリア)ハイブリッド・アート部門Honorary Mention(tEntメンバーとして).

岩岡孝太郎
1984年東京都生まれ.千葉大学工学部デザイン工学科卒業後,建築設計事務所勤務を経て,慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程に在籍.

平本知樹
1987年兵庫県生まれ.千葉大学都市環境システム学科卒業後,慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程に在籍.

制作協力:慶應義塾大学田中浩也研究室,財団法人国際メディア研究財団,マルチカット トンボ

関連イヴェント
オープン・(リ)ソース・ファニチャー・ワークショップ
日時:2010年1月24日(日),31日(日),2月7日(日),21日(日)午後2時—4時[終了しました.]|→詳細|