ICC





はじめに
入場料
展示作品




《めだま》
《アルバム》
《押し花》
参加作家
 
1995年2月17日—3月9日 [終了しました.] NTT / ICCギャラリー





展示作品













フランス語では, logiciel という言葉で ソフトウエアを表わします. しかし, ソフトに相当する logiciel ではなく, logique という 言葉を使ったのは, この展覧会の中で, ドゥルーズに 代表されるような 哲学的な側面も 追求したいと 思ったからです.

人は幼児期において感覚によって自己と 世界の 関係を 位置付けると
ジャン= ジャック・ ルソーは 述べて います.

ディジタル あるいは インタラクティブ といった 特性は,作品と作者の間に 連続性を 持たせるもので,こうした技法を 用いることによって,作品から その作者へと 道を遡ることが 可能になります.
つまり インタラクティブ な装置は, 作者が とらえたものを 読者へと 引き渡し,同時に 読者が それを とらえ返す機会を もたらすものなのです.

私が 作品を 作るうえで 関心を 持っていたのは,「読者」に対して 読むことには 様々な 決まりごとがあると 教えることです.
「めだま」の中では, この決まりごとについての 目録を作ろうと したのです.
人が 本の読み方を 学ぶのは 幼稚園に 行くようになる頃です.
ですから 来場者が 子供時代に 本の読み方を 習った時の 心境になってこれを見る というような 仕掛けに なっています.

「レクチュール:読む」 ということと, 「スペクタクル:見る」 ということの間にはある種の矛盾が あります.
私が 「アルバム」の中で 試みたのは この矛盾を どのように 解決するか,すなわち 本の中に 「見る」ことの 要素を 導入することなのです.

「押し花」は ジャン= ジャック・ルソーの 「告白」 によるものです.
この作品は 視点の移動 のみによって 展開していきます.
《見る》 という行為は 決して 無邪気な行為 ではありません.
そこには ためらいや 罪の意識が 存在します.
しかし 機械を 通じて 見ることによって 《見る》 行為は
純粋なものに なり得るのです.



《めだま》
"Globus oculi"

1992〜1993年



《アルバム》
"Album"

1989〜1995年



《押し花》
"Flora petrinsularis"

1993年