NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]は,マイルストーンです.1997年に注目すべき国際的な企画展を開催するセンターとしてオープンしたこと,それ以前の長年の革新的な活動,最初の大規模なメディア・アートのアーカイヴのひとつを築いたこと,もちろん新しい作品の委嘱,などの多くの理由からです.ICCは,日本発のメディア・アートの国際的なサクセス・ストーリーから切っても切り離せない存在になりました.
とりわけ「オープン・スペース」について言えば,一連の展覧会が,およそ10年を経て,日本のみならず世界から見ても,メディア・アートの重要な歴史書を読んでいるかのようでした.
いつもICCはスター作家の展示のみならず,新たな才能の持ち主たちが,彼らのアイデアを発展させ,国際的なメディア・アートのコミュニティによって発見されるように,充分なスペースを与えてきました.
ですから,「オープン・スペース」で展示された数多くのアーティストやプロジェクトが,アルス・エレクトロニカ・フェスティヴァルへの活路を見出したり,プリ・アルス・エレクトロニカで有力な賞を獲得したりするのは,特に驚くべきことではありません.また,私がこういったアーティストと初めて接点を持ったり,彼らの新作を見る機会を得て興奮したのは,たいていがICCの「オープン・スペース」でした.
「オープン・スペース」に携わってきたみなさまにお祝いの言葉を述べるとともに,これからもみなさまから創出されるさらに多くの刺激的なインスピレーションを得ることを期待しております.