ICC
OS2013
展示作品
《大きな耳をもったキツネ》
2013年
evala+鈴木昭男
展示期間:2013年10月1日(火)─2014年3月2日(日)


撮影:木奥恵三

鈴木昭男の制作した,アナラポス,グラス・ハーモニカ,クギウチ,クイーカ・カスタムなど数々の自作楽器による演奏と,京都府網野町(現・京丹後市)にある鈴木の作品《ひなたぼっこの空間》と《点音(おとだて)》など鈴木の選定した京都府京丹後市内のさまざまな音の聴こえる屋外のリスニング・スポットを,evalaが最新鋭の立体音響特殊マイクロフォンによって録音.そのフィールド録音した音を素材に,無響室でその録音された空間の残響と反射を擬似的に作り出し,そこに音響的変化を伴う音の運動を再構成して作曲された,8.1ch立体音響によるサウンド・インスタレーションです.

暗転の中,通常の聴覚体験では得られない,楽器が巨大化したり,耳が水であふれたり,といった音響的イリュージョンとでもいうべき現象を体験します.

題名はオオミミギツネというアフリカに生息する,大きな耳で獲物の居場所を正確に突き止め,また人間には聴こえない超音波を聴くことができる,耳が極端に発達した夜行性の哺乳動物に由来しています.

1名ずつの10分以内の体験で,来場者は数曲の中から任意の曲をひとつだけ選択できます.また楽曲は期間中に追加されていく予定です.

3Dサウンドプロデュース:evala,ACOUSTIC FIELD
機材協力:株式会社アコースティックフィールド

evala プロフィール
1976年生まれ.サウンド・アーティスト.先鋭的な電子音楽作品の発表および上演,また公共空間,舞台,映画,広告メディアなどで立体音響システムや先端テクノロジーを用いた多彩なサウンド・デザインを行なう.主な近作に,CD《acoustic bend》(port,2010),インスタレーション《void inflection》(山口情報芸術センター [YCAM],2011)など.渋谷慶一郎とのインスタレーション《for maria anechoic room version》制作,ラップトップ・デュオ ATAK Dance Hallとしても活動する.
http://port-label.jp/
過去に参加した展示・イヴェント

鈴木昭男 プロフィール
1941年生まれ.サウンド・アートの先駆者的存在として,1960年代初頭より「聴く」ことを主体とした制作態度によって国際的に活動する.1970年にエコー楽器アナラポスを創作.88年には子午線上にある京都府網野町に,一日自然の音に耳をすますという行為を行なうための《ひなたぼっこの空間》を制作.96年には,地面に足跡のように見える耳のマークを描き,その上に立ってその場所の音に耳をすませる《点音》を発表.ヨーロッパを中心に世界の主要な美術展や音楽祭に招聘されている.
過去に参加した展示・イヴェント


*この作品は,音の反響のない,完全に密閉された空間で体験するものです.そのため,年齢やお身体の具合によってはご体験いただけない場合があります.
また,原則お一人様ずつでの体験のため,一日にご案内できる人数には制限があります.会場では整理券発行による予約制で順次ご案内していますが,ご来場の時間によっては,ご体験いただけない場合があります.
以上の点をあらかじめご了承いただけますようお願いいたします.詳細は,フリーダイヤル(0120-144199)までお問い合わせください.