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OPENSPACE 2011

展示作品


エマージェンシーズ! 017
《ストリングス・フォー・ハーモニー》
2011年
江島和臣
展示期間:2011年10月22日(土)—12月18日(日)[終了しました.]

撮影:木奥恵三

振動する一本の弦と,それを共鳴させる箱からなるユニットが,天井から複数吊るされ,それぞれのユニットから発される響きが変化したり,干渉したりすることで,展示空間内でさまざまにその音の調和を変化させるサウンド・インスタレーションです.

空間には4つのユニットが配置され,それぞれの弦は,振動電流の作用を利用して,弦に触れることなく長い音の持続を得られる装置によって振動しています.それが,空間内における観客の振る舞いや,温度や湿度などの空間そのものの状態の変化によって,それぞれのユニットの弦の振動状態を変化させ,空間内での組み合わされた状態での音の聞こえ方を変化させます.観客が空間内で能動的に作品に関与することで音の状態を変化させることができ,また,空間で生起するハーモニーを観客自身の移動(距離や方向の変化)によって探ることもできます.

作者は,楽器と観客との関係や作曲における空間という要素の導入,空間での音の調和をテーマに,ギターという弦楽器を最小限の要素で,演奏家不在の状態で空間に再構成しました.それは,サウンド・アートの分野における主要なアイデアのひとつでもある「演奏者がいなくても演奏され続ける音楽」を実現するものでもあります.

江島和臣 プロフィール

関西を中心にギタリストとしてバンド活動をした後,kafukaとしてソロ活動を始める.2007年よりコンピュータによるプログラミング処理を用いて,ギターサウンドをリアルタイムに再構築する演奏を行なう.IAMAS DSPコース在籍中に弦楽器の弦を用いたサウンド・インスタレーション作品《Strings for Harmony》(2011)を発表.2011年に自主レーベルLaatryを設立.
http://kafuka.posterous.com/

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ライヴ&アーティスト・トーク
江島和臣
日時:2011年12月11日(日)午後3時より[終了しました.] |→詳細|