ICC

みえないちから

2010年10月30日(土)-2011年2月27日(日)

展示作品

上映プログラム
オスカー・フィッシンガー作品上映会

本展覧会テーマを考える出発点ともなった,ヴィジュアル・ミュージックのパイオニア,オスカー・フィッシンガー(1900–67)のヴィジュアル・ミュージック作品を上映いたします.

上映作品

《習作7(ハンガリアン・ダンス5番)》1930–31年,2分35秒
《サークル》1933年,1分50秒
《ラジオ・ダイナミクス》1942年,4分22秒
《モーション・ペインティング No.1》1947年,10分58秒

  • 開催日時:2010年11月14日(日)—2011年2月27日(日)の毎土日曜日および祝日
    (年末年始,2/13を除く)午前11時10分—午後5時30分[終了しました.]
  • 会場:ICCシアター
  • 定員:27名(各回入替制)
  • 上映時間:20分
  • 入場無料(展示をご覧になる場合は,別途入場料が必要です)

オスカー・フィッシンガー 1900年,ドイツ,ゲルンハウゼン生まれ.1920年ころフランクフルトの文芸サークルで演劇・映画批評家ベルンハルト・ディーボルトに出会い,抽象映画の制作を勧められる.1921年にヴァルター・ルットマンの抽象映画に感銘を受け,ミュンヘンに移り映画作家としての活動を開始した.1928年にベルリンへと移り,抽象形態が音楽と同期してリズミカルに舞い動く「ヴィジュアル・ミュージック」の先駆的な作品として知られる《習作》シリーズ(1929–33)を制作.1936年,ナチスの抽象芸術弾圧から逃れてアメリカに亡命し,ハリウッドを活動の場とする.ウォルト・ディズニーの《ファンタジア》(1940)の制作初期に協力するも,作品が純粋抽象映画にならないことを理由に制作から離れる.《ラジオ・ダイナミクス》(1942)では,サイレント・ムーヴィーでありながら,線や形の運動のみによって音楽的な感情を表現するという,視覚による音楽表現が試みられた.《モーション・ペインティング No.1》(1947)は,フィッシンガー最後の作品であり,これまでの音楽と映像の同期といった方法論ではなく,プレクシグラスに描かれた抽象絵画の漸次的変化によって制作されている.1950年には巨大な色光オルガンである「ルミグラフ」を考案.晩年は不本意ながらも絵画に専念し多くの作品を残した.フィッシンガーの作品と思想は,エドガー・ヴァレーズやジョン・ケージといった音楽家,ノーマン・マクラレンやハリー・スミス,ケネス・アンガーといった映像作家など多くのアーティストにも影響を与えた.1967年ロサンゼルスにて没.

画像上から:《習作7(ハンガリアン・ダンス5番)》1930-31年,《サークル》1933年,《ラジオ・ダイナミクス》1942年,《モーション・ペインティング No. 1》1947年
© Fischinger Trust, courtesy of Center for Visual Music