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2001年8月10日(金)〜 10月21日(日)ギャラリーA,B,C





はじめに


 前田はコンピュータを表現のメディアとして捉え,デザイナー,アーティスト両面の活動を兼ねそなえた研究者と位置づけられています.彼の多くの作品には,インタラクティヴな要素が埋め込められています.例えば,画面上の文字がマウスの動きにあわせてダンスするものや,マイクを利用した音声でグラフィックスを変化させていく作品など,様々な試みを発表してきました.観客はインターフェイスを介して参加することによって時々刻々変化する現象を自らつくりだすことになります.
 前田はまた,インターネット上での作品制作,発表も数多く行なっています.例えば,世界中からインターネット上に集められる一筆書きが一本の線に連結されていき,その線はやがて世界を一周するというプロジェクト(One-Line Project)を推進しており,国境のないインターネットの世界では,その線は地球に住む誰もが仲間であることのシンボルとなります.
 さらに前田はポスターなどの印刷メディアのデザインも多く手がけています.定石化されたグラフィック・デザインの手法とは違い,アプリケーションに制約されない,彼独自の発想と方法論は,世界中から評価されています.
 近年では,デジタル・コンテンツと素材を結びつける彫刻作品や家具を制作,発表し,そのマルチな活動は新たな局面を迎えつつあるといえるでしょう.本展は,前田が過去10年間に展開してきた,すべての研究,活動を紹介する世界でも初めての試みとなります.観客は「デジタルの未来像」を体験し,探ることとなるでしょう.