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はじめに |

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實松亮は、活動初期より「光」をテーマとしてきたインスタレーション作家です。彼のカメラ・オブスクラの原理を応用したフレネル・レンズを用いた作品は、密やかで静謐な印象を与えるものですが、その背後には光を常に構造的に捉え、見るものの視覚を問うていく強靱なコンセプトがあります。
今回の新作インスタレーション《Horizontal Tone》では、ギャラリーのコーナーに、上下二つのホワイト・ノイズの映像を映しだします。その映像は一本の「水平線」によって区切られています。会場にはノイズ音が流れ、ホワイト・ノイズの映像の変化に同期しながら、その音も変化します。非常にシンプルな構造の作品ですが、観客がノイズの「光」と「音」に包まれる瞑想的な空間がそこに出現します。
なお、会期中に、近年作家が新たな試みとして行っているヴォイスを中心としたパフォーマンスを、二人の共演者とトリオで行います。
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