ICC





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2000年7月28日(金)〜 9月10日(日) [終了しました.] ギャラリーA,D





はじめに


このたび,NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]では,「彫刻アニメーション 夢のリアリティ─グレゴリー・バーサミアン」展を開催いたします.

ICC開館以来,グレゴリー・バーサミアンの「ジャグラー」は,常設作品として子供から大人まで幅広い層から好評を得てきました.日本ばかりではなく海外でもバーサミアンの彫刻アニメーションの人気は高く,1998年から今年6月にかけて,彼の個展「インヌエンド・ノン・トロッポ(暗示しなさい,決して急ぐことなく)」(シンシナティ現代美術センター企画)が全米6都市を巡回しました.

今回,ICCでは,この巡回展に出品された作品に,さらに初期の実験的なアニメーション,旧作および最新作を加え,10年間にわたる彼の彫刻アニメーションの全体像を紹介します. バーサミアンの彫刻アニメーションの源泉は,視覚の残像現象にもとづいたゾーイトロープ(回転覗き絵)です.これはフリップ・ブック(パラパラ漫画)やフェナキスティスコープ(驚き盤)などと並ぶ,映画前史を彩 る初期アニメーション技術です.バーサミアンは,映像テクノロジーの進化を遡り,映画やヴィデオの先駆けともなった,19世紀の光学器械と出会ったと言えるでしょう.

また,バーサミアンは,ユング心理学の影響を受け,1983年以来,自分が見た夢の断片をテープ・レコーダーに記録してきました.彼の作品は,このデータ・ベースから編み上げられたものであり,まるで夢の一幕のような印象を与えます.

われわれを無意識への旅へと誘う,夢から採取されたさまざまな作品のモチーフは,日常生活や現代文化,始源的なイメージ,社会政治的なアイロニーとユーモアなど,個人的なものから普遍的なものまでの広がりをもっています.

夏休みのこの時期,大人も子供も一緒に,彼の創り出した夢の不思議な世界を体験して見てはいかがでしょうか.