「ネット_コンディション」は,オーストリア・シュタイアーマルク州の州都 グラーツで開催される芸術祭「シュタイアーマルクの秋」の企画のもと,ドイ
ツ,スペイン,日本のメディア・センターが参加する,4カ国連動のネットワ ーク・イヴェントです.
アートとメディア・テクノロジーの分野での優れた理論家であり数多くのプロ ジェクトを手がけるピーター・バイヴェルが全体ディレクションを行ない,
「シュタイアーマルクの秋」(オーストリア・グラーツ/ピーター・バイヴェ
ル),「カールスルーエ・メディア&アート・センター(ZKM)」(ドイツ・カ
ールスルーエ/ジェフリーショー),「MECAD」(スペイン・バルセロナ/
クローディア・ジャネッティ),「NTTインターコミュニケーション・センタ ー[ICC]」(日本・東京/伊藤俊治)という,4つの機関が連動して,多数の
インスタレーションやネットワーク作品の展示が各地で行なわれます.(ICC 以外の会期は9月25日〜10月24日)写真というメディアの登場(フォトグラ
フィック・コンディション)が絵画の在り方を変え,ヴィデオがフィルムを変 え,デジタル・テクノロジーがヴィデオやフィルムなどを変えたように,ネッ
トワークの普及(ネット・コンディション)は従来のメディアや表現にどのよ うな影響を及ぼしていくのでしょうか?
本展覧会は,世界の4つのアートとメディアのセンターを結んで,物理空間と 情報空間をクロスさせながら,ネットワークの中の運動する意識状態をフォー
カスする試みとなります. ICCでも4人の作家による作品を通じて,他者と のインタラクティヴなコミュニケーションの可能性を探ると共に,現実の場と
仮想の場が結合したネットワークド・ヘテロトピア(つながれた混在郷)の試 みを行なっていきます.
「現実とは,しかし,アクチュアル・イメージとヴァーチュアル・イメージの 共振動であり,重合である.」
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