ICC





はじめに
入場料
展示作品




《ディスクラビア》
作品のキーテクノロジー"HyCLASS"
参加作家
 
1997年4月19日 〜 4月27日 [終了しました.] NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]





作品のキーテクノロジー"HyCLASS"


本作品はNTT情報通信研究所で開発した協調型学習支援システムHyCLASSとともに作製しました.これはいわば3次元CG版のMUD (Multi-User Dungeon)であり,ネットワークで接続された複数のユーザが,共有空間をウォークスルーしたり,オブジェクトを操作したりすることができます.さらにHyCLASSではオンラインで動作をオブジェクトに張り付けたり,オブジェクトの色,テクスチャ,スケール等を変更することができます.また,ユーザは作成したオブジェクトをダイナミックに共有空間に投入して協調的に操作したり,エディットすることが可能です.HyCLASSのこういった特徴を生かし,さらにいくつかの改造を加え"Disclavier"を開発しました.
本作品において,ユーザ間のコミュニケーションはアバターを動かすことと演奏することに限られています.そのため,ユーザによる音の表現方法をより豊かにする必要がありました.
HyCLASSはアバターの動作などに自由に音がつけられるなどの機能を持っています.しかし,より音楽的に優れた音を出すために,HyCLASS内部にではなく外部に音源を持つ必要がありました.そのためHyCLASSはMIDI信号を出して音の鳴るタイミングを制御し,さらに細かい音源に対する制御を外部で行なっています.技術的に見ると,二つのコンピュータ(PCとMac)がMIDI信号により通信して一つのクライアントシステムを形成しています.トータルなシステムとしては複数のクライアントとサーバがLANでネットワーキングしています.HyCLASSの本来の目的は複数のユーザが仮想的な共有空間で,協調もしくは,競争しながら学習するというものですが,"Disclavier"でも同じように,顔のない他のユーザと,何か楽しいものを得ることができるのではないかと私達は思っております.


<開発グループ>

私たちはテレエデュケーションを合い言葉に,主にネットワークを利用した教育支援システムを研究,開発しています.テレエデュケーションの狙いは,時間・空間・個人差を克服し,いつでも,どこでも,どんな端末に対しても,その人に最も適した教育環境を提供しようとするものです.私たちのグループは,複数の生徒がネットワーキングされたコンピュータの作り出した仮想的な共有空間で協調して,そして時には競争しながら,学習するということに焦点を置いて研究しています.
このような研究成果にもとづいて,複数の生徒によるヴァーチュアルスペースでの科学実験や創作活動を支援するために開発したシステムがHyCLASSです,その他,人間の学習過程の基礎的な研究をはじめ,WWWを利用した知的学習支援システム,超高精細画像を用いた医療教育用システム,MPEG2複号化ボード等の開発をしています.
NTT情報通信研究所知的通信処理研究部
川野辺 彰久(nobe@isl.ntt.co.jp)
角田 進(kakutae@isl.ntt.co.jp)
細谷 克美(katsumi@isl.ntt.co.jp)
問い合わせ先:hyclass@isl.ntt.co.jp