ICC





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InterCommunication'96
シンポジウム・レポート
ショートスピーチ・サマリー
 
1996年10月21日(月)13:00−16:00 [終了しました.] 有楽町朝日ホール





はじめに


NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)では,1997年4月の施設オープンに先立ち,毎年,「アート&テクノロジー」をテーマにさまざまなイヴェントを開催してきました.第6回目にあたる「NTTインターコミュニケーション'96」では,各界で活躍する知識人が「マルチメディア社会と変容する文化—科学と芸術の対話に向けて—」というテーマで討議する「ICC国際シンポジウム」を開催しました.
15世紀のグーテンベルクによる印刷革命によって,知識の蓄積と普及の仕方が劇的に変化した結果,近代文明への扉が開かれました.現在進行している電子情報革命は,印刷革命を超えるコミュニケーションと文化の変革です.コンピュータとネットワークによって,私たちの意識は,再び大きく変わろうとしています.
これまで「高度情報社会」をめぐっては,技術面・経済面の議論に偏りがちで,情報技術がわれわれの意識や空間・時間の感覚をいかに変えてきたか,変えつつあるかということについては,十分な考察がなされてきませんでした.また,情報技術が加速しつつある「科学技術と芸術文化の対話」という視点からの取り組みもようやく始まったばかりです.当シンポジウムでは,こうした点に焦点をあて,21世紀を目前に現代社会が直面している変化の意味を再発見し,われわれを待ち受けているものを問うことを目的としました.


 
Pre Event


ICCでは,1997年の施設オープンに先駆けて,1991年より既に活動を始めています.これは,施設中心のミュージアムの在り方を脱し,ソフト中心,ネットワーク型の新しいミュージアムの形を目指すというビジョンに基づくものです.

NTTインターコミュニケーション'91 「電話網の中の見えないミュージアム」
(1991 年3月15日〜29日) 会場:電話網の中 
概要:電話網をミュージアムと見立て,電話やファクシミリ,コンピュータを通じてアクセスし,作品や作家のメッセージを鑑賞するという実験的なイヴェント.拡大するサイバースペースの世界を予感させるイヴェントとなった.

NTTインターコミュニケーション'92「脱着するリアリティ」
(1992年3月28日〜4 月16日) 会場:スパイラル(青山)
概要:コンピュータ・アーティストの藤幡正樹と建築家の入江経一によるコラボレーション.何も展示していない,重力の感覚を失わせる不安定な空間の中で,赤外線ヘッドホンをつけた観客自身が動き回りながら,様々な情報をキャッチし,鑑賞する展覧会.現代社会が,現実の物質的な世界とメディアによる世界という,二つのリアリティによって構成されていることを問いかけた.

NTTインターコミュニケーション'93「メディア・パサージュ」
(1993年10月27日 〜11月16日) 会場:渋谷ビーム
概要:ジェフリー・ショー,アグネス・ヘゲドゥシュ,マット・マリカンという, メディア・アートを代表する3人のアーティストを招待して開催した展覧会.新しいメディア・テクノロジーによって変容する意識や感覚がテーマ.期間中,ドイツのア ート・アンド・メディアテクノロジー・センター[ZKM]と通信回線で結び,作品を通じてコミュニケーションするというイヴェントも行われた.

NTTインターコミュニケーション'94ジョージ・コーツ・パフォマンス・ワークス日本公演「NOWHERE NOW HERE」
(1994年10月7日〜9日) 会場:アートスフィア(天王洲アイル内)
概要:三次元の立体映像がリアルタイムに変化していく映像の中で,生身の歌手が歌い,俳優が演じる新しい舞台芸術.新技術や新メディアは常に芸術の表現形態を変 革してきたが,舞台監督であるジョージ・コーツは,米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所,アップルコンピュータ,インテル社などと共同で,演劇とコンピュータを融合させた新しい芸術表現を研究している.

NTTインターコミュニケーション'95 「on the Web−ネットワークの中のミュージアム」
(1995年11月1日〜19日)会場:インターネット内
概要:'91年度の「電話網の中の見えないミュージアム」では,電話網を使って多様な文化情報を交流させ,美術館の「情報場」としての機能を拡張するイヴェントであったが,今度は急速に拡大する「インターネット」の中に「見える美術館」を構築した.このイヴェントは,われわれの想像力の未来を予告するとともに,電子情報社会の新しいコミュニケーションの提案を行うものであった.