書名 | サイバースペース |
著者 | マイケル・ベネディクト |
訳者 | NTTヒューマン・インタフェース研究所+鈴木圭介+山田和子 |
出版社 | NTT出版 |
出版年 | 1994 |
ISBN | 4-87188-265-9 C0010 |
解題 | デジタル技術の進歩による電子ネットワ−クの発達.たとえば,デスクトップでのヴィデオ会議,VR(ヴァーチャルリアリティ)あるいはヴィデオゲ−ムなど.これらはサイバ−スペ−スではなくプレステ−ジの段階であるという.ではサイバ−スペ−スとはいったい何を指すのか.SF(サイエンスフィクション),哲学,人類学など多岐にわたる15人の視点から明らかにされる現実世界と仮想世界の関連性とその全貌を集成した論文集. |
原書名 | CYBERSPACE / First Step |
原著者 | Benedikt, Michael |
原書出版社 | MIT Press |
原書出版年 | 1991 |
書名 | シークレット・オブ・スーパーハッカー |
著者 | ナイトメア |
訳者 | 松藤留美子・オフィス宮崎 |
出版社 | 日本能率協会マネジメントセンター |
出版年 | 1995 |
解題 | ひとくちに「ハッカ−」と言っても,現在日々拡大し続けているネットワ−ク上にはさまざまなハッカ−が「活動」している.本書では,匿名(ハンドル名「ナイトメア」)の著者によって,ハッキングの歴史やノウハウのヴァリエ−ションなどが(著者のハッカ−としてのこだわりを含めて),詳細に紹介されている.ハッカ−の生態やハッキングの欲望を知ることが,コンピュ−タセキュリティの第一歩であることが前編にわたって強調されている. |
書名 | 思想のための道具 |
副書名 | 異端の天才たちはコンピュータに何を求めたか? |
著者 | ハワード・ラインゴールド |
訳者 | 栗田昭平(監訳) |
出版社 | パーソナルメディア |
出版年 | 1988 |
ISBN | 4-89362-035-5 |
解題 | チャ−ルズ・バベッジ,アラン・チュ−リング,ジョン・フォン=ノイマン,アラン・ケイなどコンピュ−タの誕生と進化を支えてきた異端の天才たちの業績を例に挙げ,彼らがコンピュ−タに何を求めていたのかを洞察することにより,単なる計算機から「思考のための道具」に至ったコンピュ−タの遍歴を明らかにしている.これからのコンピュ−タと人間の係わり方をテーマとしているが,その構成は一般読者向けにドキュメンタリー的な構成になっていて,コンピュータの基礎知識のない読者にも読みやすい. |
書名 | シミュラークルとシミュレーション |
著者 | J.ボードリアール |
訳者 | 竹原あき子 |
出版社 | 法政大学出版局 |
出版年 | 1984 |
解題 | 1976年から1979年にかけての論文と講演を集成したもの.シミュラークルとシミュレーションという概念を軸として,歴史的な事件からサブカルチャーやテクノロジーの断面に至るまで幅広い分野を対象として,逸脱した狂気やマージナルなものが,シミュレーションの時代には突如として反転する可能性があることが指摘されている.「シミュレーション」や「ハイパーリアル」といった本書で用いられている用語が流行語になるほど,80年代には幅広い読者を得た一冊でもある. |
書名 | 純粋戦争 |
著者 | ポール・ヴィリリオ+シルヴェール・ロトランジェ |
訳者 | 細川周平 |
出版社 | UPU |
出版年 | 1987 |
ISBN | 4-946432-22-1 |
解題 | 電子メディアを用いたシミュレーション能力は,戦争の技術を起源として,現在では世界の映像化という現象を大きく支えている.本書で展開されているロトランジェとヴィリリオの対話は,「戦争のための戦争」(=純粋戦争)への批判が基軸となっている.ここでの純粋戦争への批判的な考察は,単に政治的状況へ向けられているだけでなく,テクノロジーをカタストロフィ的状況の中で利用することにも向けられている.本書では,われわれの知のあり方そのものが軍事化されていることにたいしても痛烈に批判の目が向けられている. |
原書名 | PURE WAR |
原著者 | Virilio, Paul + Roringer, Sylvere |
原書出版社 | Semiotext |
原書出版年 | 1983 |
書名 | 消費社会と権力 |
著者 | 内田隆三 |
出版社 | 岩波書店 |
出版年 | 1987 |
書名 | 情報宇宙論 |
著者 | 室井尚 |
出版社 | 岩波書店 |
出版年 | 1991 |
ISBN | 4-00-002686-0 |
書名 | 情報社会と現代日本文化 |
著者 | 川崎賢一 |
出版社 | 東京大学出版会 |
出版年 | 1994 |
解題 | 社会学な観点から,情報社会と現代日本文化との関連を分析した一冊.本書では,一般的に「情報社会」と言われる社会論を今一度整理し直し,1960年代の「価値革命」を起点として「情報化」が進行したプロセスについて,分析を試みている.さらには,「青年文化」を切り口として,その情報化のプロセスが進行していくにつれて,地球環境に対してどのような貢献をもたらすのか,という可能性を論じている. |
書名 | 情報・通信の社会史 |
著者 | 石井寛治 |
出版社 | 有斐閣 |
出版年 | 1994 |
解題 | 「日本の近代化」が市場経済を基盤とする資本主義社会の誕生とともに始まったことは,よく指摘されることである.本書では,市場経済の発達とともに必要性が増大したコミュニケーションに焦点を当て,江戸時代後期から明治時代にかけての,郵政,電信,電話などの発達を整理している.また,それらの発達過程で発生した社会的な諸状況が,いかに私的な伝達の欲望を制約してきたかという側面も,同時に語られている. |
書名 | 増補情報の歴史 |
副書名 | 象形文字から人工知能まで |
著者 | 松岡正剛(監修) |
出版社 | NTT出版 |
出版年 | 1996 |
ISBN | 4-87188-077-X |
解題 | 「象形文字から人工知能まで」というサブタイトルが付けられた1990年版の文化史をめぐる年表の増補版.本書でとらえられている「情報」は,きわめて広い.たとえば,「生命の発生」も,本書の中では情報として位置づけられる.したがって,本書で年代順に並べられた項目やその項目間の連関を表現するグラフィックデザインが,これまでにはなかったきわめてユニークなスタイルをもつ歴史年表となっている. |
書名 | 情報様式論 |
副書名 | ポスト構造主義の社会理論 |
著者 | マーク・ポスター |
訳者 | 室井尚・吉岡洋 |
出版社 | 岩波書店 |
出版年 | 1991 |
ISBN | 4-00-002686-0 |
解題 | 急速なテクノロジ−の発達における電子メディアの出現.記号・言語の問題に関心をむけ,今まで難解とされてきたポスト構造主義と電子メディアを関連づけることにより,その「開放的」な解釈を試みる.作者の柔軟な姿勢から窺えるように,異なるコンテクストから成り立つポスト構造主義と批判理論をメディア環境を触媒として結びつける試みを見事に果たしている.「情報というモ−ド」というパ−スペクティブから世界をみつめる. |
原書名 | THE MODE OF INFORMATION |
原著者 | Poster, Mark |
原書出版社 | Polity Press |
原書出版年 | 1990 |
書名 | 神経政治学 |
著者 | ティモシー・リアリー |
訳者 | 山形浩生 |
出版社 | トリヴィル |
出版年 | 1989 |
書名 | 神話としての情報社会 |
著者 | ジェニファー・スラック+フレッド・フェジェ |
訳者 | 岩倉誠一+岡倉隆(監訳) |
出版社 | 日本評論社 |
出版年 | 1990 |
原書名 | THE IDEOLOGIY OF THE INFORMATION AGE |
原著者 | Slack, Jennifer+Fejes, Fred |
原書出版年 | 1987 |
書名 | 透きとおった悪 |
著者 | J.ボードリアール |
訳者 | 塚原史 |
出版社 | 紀伊國屋書店 |
出版年 | 1991 |
解題 | さまざまな領域のものが相互浸透し,政治,経済,美術,性は普遍化される.否定性を除去し肯定性だけを受容するようなシステムが生まれた.そしてそのまわりからウイルス的に侵入してくる「悪の透明性」.エイズ,コンピュ−タ・ウイルス,臓器移植,人種差別,人工知能など今日的な文化状況を対象に,知的なスリルに満ちた一冊. |
書名 | 聖なるヴァーチャル・リアリティ |
副書名 | 情報システム社会論 |
著者 | 西垣通 |
出版社 | 岩波書店 |
出版年 | 1995 |
解題 | 「マルチメディア」を代表する技術としてのヴァーチャル・リアリティ.その「仮想現実」がもてはやされる陰で,宗教的な聖性がさまざまな局面に露呈している.著者は,この「聖なるもの」が21世紀の情報社会にとって,重要な概念になるはずだと主張する.華やかな未来像が語られる一方で,「仮想現実」に見え隠れする悲観的な側面を考えることが重要であることを示唆している. |
書名 | 千のプラトー |
副書名 | 資本主義と分裂症 |
著者 | ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ |
訳者 | 宇野・小沢・田中・豊崎・宮林・守中 |
出版社 | 河出書房新社 |
出版年 | 1994 |
ISBN | 00100-7-10802 |
解題 | ドゥルーズとガタリは,「階層も中心もなく,超越的な統合も,二項対立や対称性の規則もなく,ただ限りなく連結し,飛躍し,逸脱する要素の連鎖」(訳者による「解説」より)をリゾームと位置づけ,新しい共同体をめぐる哲学を示してきた.本書では,さまざまな時間や空間においてリゾームという秩序の存在がさらに詳細に検証され,一見無秩序や混乱と見え死や恐怖をはらむ現象が,肯定的にとらえられなければならないとする「人間の脱領域化」が説かれている. |
原書名 | MILLE PLATEAUX/Capitalisme et Schizophrenie |
原書出版社 | Les Editions de Minuit |
原書出版年 | 1980 |
書名 | 想像の共同体 |
副書名 | ナショナリズムの流行と起源 |
著者 | ベネディクト・アンダーソン |
訳者 | 白石隆+白石あや |
出版社 | リブロポート |
出版年 | 1987 |
解題 | 政治学者でもあり東南アジア研究者でもある著者は,「国民国家」の存在論的な根拠となっている「国民」を「想像の共同体」としてとらえ,「巡礼」や「王朝」などといった概念と類比しながら,ナショナリズムの起源と発達が語られている.著者のエスニシティや地域性などに対する視点もきわめてユニークで,現在のネットワーク環境を考慮する上でのヒントが盛りだくさんの名著である. |
原書名 | IMAGINED COMMUNITIES / Reflections on the Origin and Spread of Nationalism |
原著者 | Anderson, Benedict |
原書出版社 | Verso |
原書出版年 | 1987 |
書名 | 速度と政治 |
副書名 | 地政学から時政学へ |
著者 | ポール・ヴィリリオ |
訳者 | 市田良彦 |
出版社 | 平凡社 |
出版年 | 1989 |
ISBN | 4-582-70203-1 |
解題 | 概念的な「速度」を切り口として,近代社会を成立させている政治の深層を解読しようとする著者は,その分析のフィールドとして「速度社会」を選択している.「戦争」が吸収してきたテクノロジーと政治を「速度学」として分析されることによって,「速度」と「政治」との密接な関連が語られると同時に,テクノロジーをめぐる今日的なイデオロギーの状況が整理されている. |
原書名 | Vitesee et Politique |
原著者 | Virilio, Paul |
原書出版社 | Editions, Galilee |
原書出版年 | 1977 |