ICC





はじめに
入場料
マシン例
参加作家
イヴェント




1月15日(土)
1月16日(日)
1月22日(土)
1月23日(日)
 
1994年1月15日〜23日 [終了しました.] 東京デザインセンターGALLERIA B1F.B2F





はじめに


 このオープン・ワークショップでは,受講者は,機械と想像力との関係をめぐって日常生活や社会環境を再点検し,そこから独自のマジカル・マシン(夢想の機械)を構想し制作した.
 現代の生活は,圧倒的な物量の機械文明のただなかにある.しかし多くの場合,そこでの“機械”は,生産装置としての有用性だけが強調され,機能追求や制御の目的の手前で,モノとしての機械から発散する根源的な魅惑について,人はふだんあまり意識することがない.
 機械の擬人化,機械の恐怖,機械の滑稽,機械の不条理……いわば機械文明の裏面史を形成してきたこれらのテーマは,実は,文明が高度化すればするほど,そこに暮らす人間の精神活動により大きな影を落としているにもかかわらず,社会は,どちらかといえばそうした要素から目を反らし,ときには排除してきたといってよいだろう.
 こうした観点に立って,人間の精神活動や身体機能の複製・拡張として築きあげられてきた機械の歴史を,以上のような機械に対する想像力のありかたから捉え直すための学習プログラムを用意した.
 このワークショップではとりわけ,機械技術を媒介としたモダン・アートのなかにしばしば見い出される“光と運動”という要素をクローズアップした.それはさしあたって,ライト・アートやキネティック・アートと呼ばれる形態をとるが,学習の目的は,作品をつくるという意識にのみ収れんするのではなく,驚きや発見に満ちた“無意味機械”の考察を通じて,むしろ機械文明の中で創造的に生きるための小さな手がかりを捜すことにある.
 このワークショップは,コンピュータに代表される情報テクノロジーの出現によって新しいパラダイムに突入したマシン・カルチャーとの,積極的かつ批判的な関わり方を,受講者と講師,さらには一般参観者とともに考えるイヴェントである.