ICC
OS2013
展示作品
《イデオジェネティック・マシン》
2011年
ノヴァ・ジャン


撮影:木奥恵三

キーボードのEnterキーを押すと,コミックのコマがひとつずつ順番に表示されます.各コマは,作家自身が描いた絵のデータベースから読み出されますが,カメラで撮影された鑑賞者の姿がその場でコミックタッチに変換され,主人公として登場するコマもあります.できあがったマンガはメールで送ることができ,鑑賞者はコマの流れを追いながら,空欄のふきだしにセリフを加え,自分だけの物語を構築していきます.

タイトルに使われている「イデオジェネティック」は,言語表現を用いずに感覚やイメージだけで連ねられていく思考プロセスを指します.その言葉どおり,この作品でコミックが生成される過程では,言語がまったく介在しません.一見互いにつながりがないように思われる絵と,空のふきだしを伴って現われる鑑賞者自身の姿によってコミックができていく様子は,まるで私たちの意識の流れそのもののようにも感じられます.

そして,完成したコミックのコマとコマのあいだから文脈を想像し,ひとつの物語を見いだす行為は,私たちが頭のなかで,とりとめもないイメージの羅列から論理を抽出したり抽象化したりして,言語として表現することとそっくりであることにも気づくでしょう.

この作品は,アイビーム・アート+テクノロジー・センターの支援により制作されました.
技術協力:ジェイク・ジェフリーズ

ノヴァ・ジャン プロフィール
1985年生まれ.身体やコミュニケーションに関する意識や無意識を抽出し表出させる,インタラクティヴなインスタレーションを展開.観客はマンガ,迷路,乗り物,コスチュームといった親しみやすい作品形態によって,その状況を楽しみながら作品へ参加するよう促される.作品ごとに様々な業種のコラボレーターとチームを組み制作を行なっている.

チャンネルICC


ポッドキャスト「チャンネルICC」にて,この出品作家のインタヴューをお楽しみいただけます.
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関連イヴェント


アーティスト・トーク
ノヴァ・ジャン

日時:2013年5月25日(土)
午後2時より[終了しました.]
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