ICC

展示作品

《フラットスコープスケープ MJ》
2010年
野老朝雄

《ガラクロックワークス(ツイン)》
2010年
unitedbows(野老朝雄+今井健)

撮影:木奥恵三

幾何学パターンが印刷された透明シートを使用し,ライトボックスの上で複数のシートを重ねることでパターン同士が干渉し合い,新たな模様が現われます.それらをゆっくり動かすことによって,その模様を変化させることができます.3台のライトボックスが3台のカメラによって撮影され,プロジェクターによってひとつの画面に重ねあわせられています.

規則的で周期的なパターンが複数重なることで起こる干渉をモアレといいます.そのパターンの重なり方を変えることで,モアレを変化させることができます.作家は,その操作をVJ(ヴィデオ・ジョッキー)にならって,MJ(モアレ・ジョッキー)としています.3つの映像を重ねることで,操作している自分の影の中にモアレの模様が映り込み,どこか幻想的な風景を作り出します.《ガラクロックワークス(ツイン)》は,グリッド状に分割されたパターンが,会場の様子に応じて多様に変化しながら時を刻みます.それは,どの瞬間でも連続した紋様となり,同じものが再現されないようにプログラムされています.

協力:フォトビション ジャパン株式会社、株式会社イシマル、株式会社ヨコヤマ

野老朝雄,今井健,unitedbows プロフィール

野老朝雄は,建築を学び,「繋げる事」をテーマに美術,建築,デザインの境界領域で活動を続ける.単純な原理に基づいて定規やコンパスで再現可能な紋様の制作をはじめ,現在は同様の原理を応用した立体構造物の制作も行なっている.
今井健は,数学と情報学を学んだのち,コミュニケーション,インタラクション・デザインをテーマに,医療をフィールドとしたオントロジー,知識処理,自然言語処理研究と並行して,グラフィック,言語対話の要素を取り入れた作品を制作.博士(学際情報学).
unitedbowsは,2002年に野老朝雄と今井健により結成,2005年に荒牧英治が参加した,コラボレーション・ユニット.

関連イヴェント オープン・サロン アーティスト・トーク 野老朝雄,今井健
日時:2011年2月5日(土)午後2時より[終了しました.]|→詳細|