InterCommunication No.16 1996

Feature



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東京大学医学部付属病院に入院・療養中の児玉康利君のWebページ.ここには,これま でに彼が作曲した曲のオーディオ・データもある.児玉君は,ビデオ式の眼球運動検出装 置を使って,普段はファミコンなども楽しんでいる.内山嘉章氏(内山電子工業)の設計・制作によるこの装置は,彼の眼の動きを捉えるビデオカメラの映像を2値化し,白黒比の変化を外部機器のトリガー信号に変える,シンプルだが洗練されたアナログ式のシステムである.コンピュータを使った高度な画像処理ではないが、「何百万円もする青磁の壷は,無理をして買えたとしても飾るだけで結局使われない.僕の作る機械はみんな,牛乳ビンにアルミホイルを巻いた花瓶ですよ.誰でも気軽に野の花を活けてくれる」とはこの初老エンジニアの弁である.エレクトロニック・イコライゼーションやコミュニケーション・エイドの技術的な最前線は,こうした市井のエンジニアたちの自負心に支えられている.ちなみに,1995年7月,横浜市総合リハビリテーションセンターと箱根病院の職員が中心となって“技術ボランティア”が組織され,ニフティサーブ内の障害者フォーラム(FHAND)を中心に,障害者に対する技術相談などの活動が行なわれている.


図版

図版A
図版B
図版C

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