InterCommunication No.16 1996

Feature


21世紀のエンターテインメント・デザイン




大原伸一+月尾嘉男+武邑光裕


武邑――この1,2年,デジタル技術の進化に伴って,日本でもハリウッド系のデジタルSFXや映像表現の中のエンターテインメント・テクノロジーという側面が,幅広く紹介されたり論じられています.今回の特集では,今トレンドになっているデジタル・ハリウッドのようなテクノロジーだけではなくて,本来エンターテインメントとは何なのか,といった概念的な部分も掘り下げていきたいと考えています.アメリカの対外輸出の第2位がエンターテインメント産業で,その中にメディア産業も情報産業も含まれているとよく言われていますが,エンターテインメント産業というのは,物質的な産業と比較して,極めて非物質的な,ある種のブレイン・エフェクトのような世界だと思うんです.月尾先生は,一貫して人間の感性と技術の新しい関係について発言されてきましたし,大原さんは実際に博覧会のプロデュースをなされてきた.そこで次世代型エンターテインメントという非常に抽象的な概念も含めて,いろいろとお話を伺えればと思っているんです.特に博覧会に関して,いろいろな変遷があったと思いますが,最近はネットワーク型のエキスポやインターネットを使ったヴァーチュアルなテーマパークなど,いろいろな展開がなされています.物理的なエンターテインメント空間と,サイバースペースの中のエンターテインメント空間という,二つの接点がこれからどうなるのかというようなことも含めて,議論していきたいと思います.

仮想空間のEXPO――「公開」から「共有」へ
シームレス,インタラクティヴ,ハイパー
未知なるものとしてのエンターテインメント
エイジアン・エンターテインメントと文化資源
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