InterCommunication No.12 1995
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田甫律子「センス=アビリティ」展
カレン・オード
鈴木圭介 訳
SUMMARY

ボストン

「センス=アビリティ(感覚=能力)」展は,ボストンから招待された彫刻家,田甫
律子と5人の身体障害者とのあいだの共同制作という形で実現した.そのタイトルか
らも推察されるように,「センス=アビリティ」展は伝統的なお仕着せに縛られた凡
百の美術展示のやり方をはるかに越えて人間の感覚能力の差異の垣根に挑戦する試
みだった.この美術展が辛辣な形でつきつける感動的なテクストやヴィジュアル作
品は,肉体的困難を持つ人間と(外見上は)肉体的困難を持たない人間がともに一
つの世界に直面して共有する感情的心理的コンテクストを探究するためのものであ
る.どんな場合にも芸術は,すすんでその体験を受け容れようとする人々に恩恵を
もたらしてくれる.時には芸術は貴重な贈り物になることもある.田甫律子とその
協力者たちのおかげで,「センス=アビリティ」展はその両方を満たすものとなった
のだ.

[本展は1994年11月7日より12月14日までボストンのCape Cod Community
CollegeにあるHiggins Art Galleryで開催された]

「センス=アビリティ」展会場

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