ICC
OS2015
展示作品
《ハーモニック・ブリッジ》2006年
《リニア・ヴィジョンズ》2014年
ビル・フォンタナ

《ハーモニック・ブリッジ》2006年


《リニア・ヴィジョンズ》2014年

《ハーモニック・ブリッジ》は,ロンドンのミレニアム・ブリッジの構造内に生じる,橋を歩いているときには意識されない音,耳には聴こえない音による音楽性を探求した作品です.通常,何人もの歩行者の歩行,あるいは荷重や風などによって振動している,橋という構造体の持つ音楽性を引き出す,橋の各部位の音響的な特徴を振動センサーによってリアルタイムにとらえ可聴化しています.

《リニア・ヴィジョンズ》では,リンツのフェストアルピーネ(Voestalpine)製鉄工場における,鉄の製造過程という具体的な状況が映し出されています.熱された鉄と,水によって冷やされ,水しぶきと蒸気に包まれた,色鮮やかな輝く鋼板の流れと,振動センサーによって感知される衝撃音と持続的なノイズは,どこか抽象的な光景として感じられるかもしれません.

フォンタナは,自身の音響作品のことを「音響彫刻(Sound Sculpture)」と呼んでいます.それは,地理的に離れたふたつの都市の音を同時に聴くことで,さまざまな音の要素から連想される意味や記憶を鑑賞者に想起させるもので,1970年代より,美術館のスピーカーで流したり,ラジオで放送したりするプロジェクトを行なっています.

ビル・フォンタナ プロフィール
1947年生まれ.作曲家,アーティスト.70年代以降さまざまな「音響彫刻」を発表.建造物や公共空間で採取した環境音と,その音の発生が持つコンテクストの潜在的な意味を提示する作品を,世界中の美術館やラジオ放送局のプロジェクトとして発表している.2009年,アルス・エレクトロニカ デジタル・ミュージック&サウンド・アート部門でゴールデン・ニカを受賞.2012-13年,欧州原子核研究機構(CERN)の滞在芸術家に選出.

チャンネルICC


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関連イヴェント


アーティスト・トーク ビル・フォンタナ
日時:2015年5月23日(土) 午後2時より
[終了しました.]
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