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展示概要・作品

《プリペアード・ラジオ》
2006年
クワクボリョウタ


撮影:木奥恵三

かたちや大きさの異なる4台のラジオから,途切れた音が断続的に聞こえてきます.それは人の声のように聞こえますが,何を話しているのかを聴きとることはできません.この作品では,ラジオの音声のある特定の周波数帯域を遮断して,聞こえなくなるように操作されています.それによって,人の話し言葉において,言葉の意味以上に感情を表わす場合のある「間合い」などの言葉にならない部分だけを取り出し,何を聴きとることができるかを試みた作品です.また,人の話し声を音響へと還元してしまう装置となったラジオとも言えるでしょう.

クワクボリョウタ プロフィール
クワクボリョウタは,1998年から主にエレクトロニクスを用いてアナログとデジタル,人間と機械,送り手と受け手といった境界線上で起きる様々な事象に焦点をあてた作品を発表している.自身の制作のほか,ビットマン(明和電機との共作)や,ブロックジャム(Sony CSLにおけるプロジェクト)開発への参加などがある.
過去に参加した展示・イヴェント

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