ICC

オープン・サロン ICC×東京藝術大学大学院映像研究科×東京大学大学院情報学環合同企画 オープン・サロン/メディア・アートとは何か?

記号論で読み解くメディア・アート入門

今回のオープン・サロンは,東京藝術大学大学院映像研究科と東京大学大学院情報学環の共催による,「メディア・アートとは何か?」シンポジウムと合同で開催します.
オープン・スペース 2009で《プリペアード・ラジオ》が展示中のクワクボリョウタ氏によるアーティスト・トークと,東京大学の西兼志氏によるレクチャー「記号と意味についてのレッスン」,そして,東京大学大学院情報学環長の石田英敬氏と東京藝術大学大学院映像研究科長の藤幡正樹氏を交えたシンポジウムによって,メディア・アート作品の記号論的な分析を試みます.

出演:クワクボリョウタ,西兼志,藤幡正樹,石田英敬

日時:2009年11月28日(土)午後2時より|→詳細|[終了しました.]
会場:ICC 4階 特設会場
定員:200名(先着順)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
共催:東京藝術大学大学院映像研究科,東京大学大学院情報学環

インターネット中継
イヴェントの模様はインターネット中継されます.

出品作品

  • クワクボリョウタ《プリペアード・ラジオ》|→詳細|
《プリペアード・ラジオ》

これまでに,三回を経過した「メディア・アートとは何か?」シンポジウムも, 毎回多くの参加を頂き,その関心の高さに驚いています.このシンポジウムの見所はいくつかありますが,メディアと記号論の関係によって,メディア・アートがどのように読み解けるかというポイントがあります.これについては,あるレベルの共通理解がすでにあるものと考えてきましたが,実はどうもそうではないらしいということがわかって来たので,この第4回はちょっとした勉強会にしようという案が出たわけです.今回は,シンポジウムの運営メンバーでもある東京大学の西兼志氏(石田研究室)にお願いして,記号論の基礎講座をお願いすることとしました.インデックス(指標),イコン(類像),シンボル(象徴)といった言葉の意味から,それらの間を動く記号の振る舞いなどについて,いくつかの事例をもとに,たのしく学習したいと思います.
その後,記号論基礎を踏まえた上で,今回はICCで作品も展示中であるクワクボリョウタ氏にプレゼンテーションを頂いた上で,彼の作品をみんなで読み解いていってみたいと考えます.(藤幡正樹)

プログラム

○第一部 レクチャー 午後2時より
 「記号と意味についてのレッスン」
 西兼志

○第二部 アーティスト・トーク 午後3時より
 クワクボリョウタ
 聞き手:畠中実(ICC)

○第三部 シンポジウム 午後4時より
 クワクボリョウタ,西兼志,藤幡正樹,石田英敬
 司会:畠中実(ICC)

プロフィール

クワクボリョウタ
1971年生まれ.筑波大学大学院修士課程修了.岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒.1998年から主にエレクトロニクスを用いてアナログとデジタル,人間と機械,情報の送り手と受け手など,さまざまな境界線上で生じる関係性をテーマにした作品を発表.代表作に《ビットマン》(明和電機との共作),《ビデオバルブ》,《PLX》などがある.純粋に体験を提供するための装置ではなく,道具として体験者を関係づけようとする指向性は「デバイス・アート」とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した.

西兼志(東京大学大学院情報学環助教)
コミュニケーション学.1972年生まれ.東京大学文学部卒.グルノーブル第3大学情報コミュニケーション学博士,グルノーブル第2大学哲学博士.著書に『窓あるいは鏡-ネオTV的日常生活批判』(水島久光との共著.慶應大学出版会,2008),訳書に『技術と時間1:エピメテウスの過失』(B・スティグレール著/石田英敬監修,法政大学出版局,2009)などがある.

藤幡正樹(東京藝術大学大学院映像研究科長)
メディア・アーティスト.1956年生まれ,東京藝術大学大学院修了.80年代より科学と芸術の関係を独自に探求する作品を発表,メディア・アートの第一人者として国内外で注目を集める.代表作に《グローバル・インテリア・プロジェクト》(1996),《フィールド・ワーク》シリーズ(2001-)など.『アートとコンピュータ』(慶応義塾大学出版会,1999),『不完全な現実—デジタル・メディアの経験』(NTT出版,2009)など著書多数.JST(科学技術振興機構)の研究「デジタルメディアを基盤とした21世紀の芸術創造」プロジェクト・リーダー.

石田英敬 (東京大学大学院情報学環長)
記号論,情報記号論,メディア分析.1953年生まれ.東京大学文学部卒.パリ第10大学人文科学博士.2000年より現職.パリ第8大学,パリ第7大学客員教授を歴任,01年よりパリ国際哲学コレージュ・プログラム・ディレクター.著書に『記号の知/メディアの知』(東京大学出版会,2003),『現代思想の地平』(放送大学教育振興会,2005),『知のデジタル・シフト』(弘文堂,2006)などがある.

クワクボリョウタ 西兼志
クワクボリョウタ 西兼志
藤幡正樹 石田英敬
藤幡正樹 石田英敬
畠中実
畠中実