メタバース(Metaverse)とは,インターネット上に構築される3D仮想空間の総称として用いられている言葉です.自己の分身であるアヴァターを介して空間内に入り,それを操作することによって空間内を行き来して他の利用者とコミュニケーションを図ることができ,また3D空間を自由に設計したり,広告を出したり,商品を売買したりといった経済活動を行なうことができるといったことが特徴とされています.
こうした,メタバースによるソーシャル・ウェアとしてのインターネット・アーキテクチャの実践は,米国リンデン・ラボ社によって運営されている「セカンドライフ」がその代表的なサーヴィスとして知られています.しかし,メタバースの機能特性として,利用者どうしがコミュニケーションをとるには,それぞれが同一の時間にアクセスしていなければならない,という共時性の問題もあり,一般ユーザーにおいては活性化にいまひとつおよんでいないともいわれています.
この「ICC メタバース・プロジェクト」は,こうしたいまだ過渡期にあるともいえるメタバースをどのように活用することができるかということをテーマに,アーティストや研究者の方々を招いた研究会を行ない,その可能性を探ろうとするものです.
この研究会で提起された議題はこのページで公開され,それを踏まえて,実際のメタバースを用いた実験をウェブと展示によって発表していく予定です.どうぞご期待ください.