ICC
ライト・[イン]サイト—拡張する光、変容する知覚
《WiFiカメラ・オブスクーラ》《WiFiカメラ・オブスクーラ》上:《WiFiカメラ・オブスクーラ》2007,ポータブル・ヴァージョン,ロンドン
下:《WiFiカメラ・オブスクーラ》2007,出力画面
《WiFiカメラ・オブスクーラ》2006年—
ベングト・ショーレン&アーダーム・ショムライ=フィシェルwithウスマン・ハック
通常使用されているレンズをともなった光学的装置としてのカメラと異なり,空間内のWiFi(無線LANによる電磁波の周波数)のパターンをリアルタイムでキャッチし画像化するカメラ.ユーザーがその場で無線LANネットワークにアクセスすることで変容する電磁波が,カラフルな色のパターンの変化により可視化される.光は電磁波の一部だが,この作品は高周波の電磁波(不可視光)の可視化によって,現代の都市や公共空間における見えない「情報のランドスケープ」を顕在化する試みといえる.「WiFiカメラ・オブスクーラ*」は,身近な材料で自作可能なものであり,12月7日にはアーティストたちによる制作&撮影ワークショップを開催.*カメラ・オブスクーラ:「暗い部屋」の意.小さな穴を通して四角い箱に光が入ることで,部屋の内部に逆転した外の映像を映し出す装置およびシステム.10世紀以降に知られていたが,ルネサンス以降に発達し,遠近法を生み出す.現在のカメラの原型となっている.
「ヴォイス・オン・LiS」にて,この出品作家のインタヴューをお楽しみいただけます.* 英語のみ
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ベングト・ショーレン&アーダーム・ショムライ=フィシェルwithウスマン・ハックアーダーム・ショムライ=フィシェル(1976年ハンガリー,ブダペスト生まれ,在住),ベングト・ショーレン(スウェーデン,クリシャンスタ生まれ,ストックホルム在住),ウスマン・ハック(1971年米国ワシントンDC生まれ,ロンドン在住).反応環境を扱う建築家でありインタラクション・デザイナー (アーダーム,ウスマン),プログラマー(ベングト)の顔をもつメンバーで構成されるこのチームは,とりわけ日常で入手可能な製品を改造したインタラクティヴなシステムをDIY(Do It Yourself)として人々に広めていくことを目的に,実験的なプロジェクトを数々展開.これまでの活動に,「ローテック・センサーズ&アクチュエーターズ」プロジェクトや《リコンフィギュラブル・ハウス:ハッキング・ローテック・アーキテクチャー》(ICC,2007)など.
アーダーム(http://www.aether.hu/)/ベングト(http://www.automata.se/)/ウスマン(http://www.haque.co.uk/*アーダーム・ショムライ・フィシェルは,12月5日(金)から21日(日)まで,代官山(ヒルサイドフォーラム,ヒルサイドプラザ)で開催の「ヨーロッパ・アジア - パシフィックの建築の新潮流 2008-2010」に出展.過去に参加した展示・イヴェント(アーダーム・ショムライ=フィシェル)過去に参加した展示・イヴェント(ウスマン・ハック)