ICC


企業の研究所で進められている先端的な研究や国が開発を支援するプロジェクト,大学などの教育機関における研究成果など,産官学それぞれの研究事例を紹介するコーナーです.技術者や教育現場から発想される未来像を提示するとともに,最先端技術の共同研究の場としても展開していきます.
また,単に技術の刷新をめざすだけでなく,技術そのものがもつ文化的なインパクトや背景にも注目し,「研究開発」あるいは「技術」といった視点からみた,人間のコミュニケーションや認識の未来像を提示します.
展示作品
《ゲイナーカイダン》
IAMAS PDP(プログラマブル・デバイス・プロジェクト)
Gainer(ゲイナー)は,物理的な入出力をともなうインタラクティヴな作品やインターフェイスを短時間で試作するためのツールキットです.電子回路の試作で用いられるブレッドボードと組み合わせることで,自由に回路を変更しながら試行錯誤し,作り上げていくことができます.《ゲイナーカイダン》は,Gainerを共通言語としてさまざまなバックグラウンドを持つメンバーが共同で作り上げた作品です.
《テーブルスケープ・プラス》
筧康明+苗村健+松下光範
《テーブルスケープ・プラス》は,インタラクティヴな卓上映像シアターです.テーブルに立ち上がった小さな複数のスクリーンに映像が投影されていて,ユーザーがその小さなスクリーンを動かすことで,映像が変化していきます.また,小さなスクリーン同士の配置を組み合わせることで,そこに映る映像が組み合わさり,新しいストーリーが展開していきます.ユーザーは,あたかも生きている箱庭を楽しむかのように,小さな映像の世界に関与することができるのです.
《スルー・ザ・ルッキング・グラス》
筧康明+苗村健
《スルー・ザ・ルッキング・グラス》は,「鏡の中の世界は,その前にある我々の世界そのものである」という常識をくつがえし,鏡の中に映る自分自身の鏡像とホッケーゲームを通じて対戦するという作品です.
《ペガペガ》
クラウディオ・ピニィアネス+マーク・ポダラセキ
展示室にいる仮想の「蛙」は,鑑賞者が近づくとひたすら逃げていき,けっして捕まえることはできません.《ペガペガ》は,世界で最も一般的なこどもの遊びである「鬼ごっこ」を,最新の技術を用いて拡張した作品です.