ICC

《シークレット・ライヴズ・オブ・ナンバーズ》
"The Secret Lives of Numbers"
2002
ゴラン・レヴィン
撮影:木奥惠三
この作品では,1から100000までの数字の使用頻度やパターンがウェブ上のデータから収集され,その統計値が動的なインターフェイスとして提示されています.数字の使用パターンが,私たちの社会や文化,そして歴史をいかに反映しているかを,マウスをドラッグすることで知ることができます.
私たちの世界は,さまざまな数字によって構成されています.数字はふだん無機的に扱われがちで,あまり気にとめられない存在ですが,各数字がどのように使用されているかを膨大なデータをベースに統計学的に分析し可視化してみると,世界がふだんと異なる様相としてあらわれはじめます. 1997年以降,ウェブ上にあらわれる1から100000までの整数値を統計的に集め,人気度によって分類しそれを表示することで,この作品は,人間の指の数に由来する十進法を基盤に,数字が歴史やさまざまな社会的事象や人間の行動を自動的に反映するだけでなく,その使用パターンが一種必然的に決定されていることを教えてくれます.この作品ではまた,それらの数字が一般的に連想させるフレーズや既存の固有名詞も,検索し表示しています.さてあなたは,数字にまつわるどのようなパターンや秘密を見いだすのでしょうか?

この作品のオンライン・ヴァージョンは以下で体験可能です.
シークレット・ライヴズ・オブ・ナンバーズ
ゴラン・レヴィンは,アーティスト兼エンジニアとして,インタラクティヴな表現の新たなあり方を構想し,数多くの作品やシステムを生み出してきた.とりわけ人々が自由に操作することで創造やパフォーマンスに関わることのできる,音と映像が関係するユーザー・フレンドリーなシステム・デザインを得意とする.
クローラー
「クローラー」は,インターネットを経由して,日々流通し蓄積される莫大な情報の中から特定の情報を収集する自動巡回プログラムです.90年代半ば以降,ネットワークに着目するアーティストは,自らの構想を実現するために独自のクローラー(検索手法)を開発してきました.そして,インターネット上に存在する情報を「素材」と見なし,新たに編集することで,通常私たちが知覚や認知できないものごとや情報を可視化するための手段を手に入れたのです.