ICC

《rgb f__cker》
2003
エキソニモ
撮影:木奥惠三
《rgb f__cker》は,誰もが「クリエイター」として気軽に点滅する色面によるヴィジュアルを創造することができるツールであり,創造したものを広く公開して楽しむためのプラットフォームです.四角形,色,点滅(フリッカー)速度の設定という最小限のルールをベースに,それをいかに使うかはユーザーの想像力に委ねられています.
ユーザーは自由にマウスをドラッグすることで,任意の位置に任意の比率,サイズで四角形を描くことができます.四角形は,光の三原色であるRGB(赤緑青)それぞれの明度と点滅速度を設定することができ,それによってさまざまなパターンと点滅リズムをもつ「作品」を制作し,鑑賞することが可能です. この作品は,知覚を刺激する光の点滅が,危険と快感が相互につながったコインの裏表であることをあらためて思い出させてくれます.ユーザーは,色や速度を調節することで危険と快感,ストレスとリラックスの間を自由にトリップすることになります.この作品は,私たちに自らの知覚と向き合う契機を提供するだけでなく,刺激を求める心理そして生理的なメカニズムをクローズアップするのです.

この作品はオンラインで体験可能です.
rgb f__cker
赤岩やえと千房けん輔によるアートユニット,エキソニモは,1996年にウェブ上の実験的プロジェクトから出発,持ち前の機知にあふれたハッキング精神で,活動をインスタレーション,ソフトウェア,サーキット・ベンディング,ライヴなどへと拡張してきた.ハード,ソフトにかかわらず日常で入手可能なものをリソースとして発見し,独自のフィルターによって新たな創造物へと解放していく数々のプロジェクトを展開する.活動の拠点は,東京およびwww.exonemo.com
ウェブ
WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)の通称.1992年にティム・バーナーズ=リーにより開発されたシステムで,インターネット上で,ユーザーがクリックするだけで世界中のサーバー・コンピュータにあるデータにアクセスできる仕組み.ウェブ上のアートとしては,90年代半ばにネット・アートが,90年代後半にはソフトウェア・アートが生み出されました.2000年以降はとりわけ,インターネットの常時接続環境を利用した作品やプロジェクトが数多く発表されています.